キャッシュがない!
先日,塩竈の事務所で仕事をしたときの話です。
塩竈の事務所には駐車場がないため,近くのコインパーキングを利用しています。周辺の相場は30分100円で,1日の上限は400円です。月極駐車場を借りるよりも安上がりなので,ワタシにとってはありがたい存在です。
この日も,いつものように車を停めて仕事をしていました。その後,外出しようと車に戻ったところで,とんでもないことに気が付きました。
財布を忘れたのです。車の中にも事務所の中にも,現金は一円もありません。しかも,利用しているコインパーキングはクレジットカードもSuicaなどの電子マネーも使えず,現金で精算するしかありません。
困りました。
この日は,普段からお世話になっている海事代理士の先生のところへ行く予定でした。ところが,車を出せないのです。
現金がないなら,クレジットカードでキャッシングをする方法もあります。しかし,ワタシはリスク管理と無用な借金を防ぐ観点から,ほとんどのクレジットカードのキャッシング機能を停止しているのです(ただし,海外での利用は別です。現地通貨を調達する場合,利息を払っても現地で両替するより有利なことがあるからです)。
そんなわけで,スマホにクレジットカードが入っていても,今回ばかりは何の役にも立ちません。
結局,約束の時間に遅れそうになったため,先生の事務所まではタクシーを利用しました。幸い,こちらはクレジットカードが使えました。
しかし,問題は解決していません。帰りもタクシーを使えば事務所には戻れますが,その後,車を出すことができないのです。
万事休す。
結局,面談した海事代理士の先生にお願いして,3,000円ほどお借りすることになりました。先生は快く貸してくださいましたが,「キミはその程度の現金も身につけていないのか?」と,半ばあきれ顔です。
顔から火が出るほど恥ずかしかったのは,言うまでもありません。
この失敗を繰り返さないために,ワタシなりの再発防止対策を講じました。
まず,車の中に1,000円分ほどの小銭を常備することにしました。さらに,スマホケースには千円札を2枚ほど入れておきます。そして,普段使っている3つの銀行口座のうち,1つの口座のキャッシュカードをスマホケースに入れておくことにしました。
これなら,万が一財布を忘れても,スマホを持っていれば最低限の現金は確保できます。少なくとも,コインパーキングから車を出すくらいのことはできるでしょう。
人間は「ミスをしない」「忘れない」と思っていても,ミスをするし,忘れる生き物です。
ワタシは長年,電力会社で働いてきました。工場や発電所などの設備には,誤操作や異常が起きたときに事故を防ぐためのインターロックという仕組みがあります。人間が間違えることを前提に,危険な操作ができないようにするのです。
もちろん,人間の行動すべてにインターロックを設けることはできません。しかし,ミスを完全になくすことができないのであれば,ミスをしても致命的な事態に陥らないよう,あらかじめ備えておくことはできます。
今回の一件で,身をもって学びました。
もっとも,このトラブルが大事な仕事の直前でなくて,本当に良かったと思います。先生にはご迷惑をおかけしましたが,これも一つの勉強です。
行政書士の仕事も同じです。申請書類の確認を怠らないことはもちろんですが,万が一,書類の不備や手続き上の問題が見つかった場合に,どう対処するかまで考えておく必要があります。ミスをしないことに加えて,ミスが起きたときの備えも大切なのです。
……などと,もっともらしいことを書いてみました。
ただ,今回のワタシに必要だったのは,難しいリスク管理の理論でも,複雑なインターロックの仕組みでもありません。
財布を忘れても車を出せるように,千円札を一枚,車に置いておくことでした。
行政書士として,お客さまには万全の備えをお勧めしながら,自分自身の備えがすっかり抜け落ちていたのですから,何ともお恥ずかしい限りです。

コメントを残す