「塩竈」の字が書ける日を思う
昨日,国土交通省東北運輸局に,海事代理士事務所の移転に伴う「海事代理士変更登録申請書」を提出してきました。
東北運輸局があるのは,仙台市宮城野区鉄砲町です。仙台駅から歩いて行ける距離にあり,伊達藩時代に鉄砲職人が暮らしていた町並みが想像できる地名です
ワタシがコレまで,ここを訪れたのは,海事代理士試験を受験したときだけだったのですが,最近,海事代理士の仕事を始めてからは,少しずつ足を運ぶ機会が増えてきました。以前は試験を受ける場所だったのが,今では仕事で訪れる場所になったわけです。何だか不思議なものですね。
今回提出した「海事代理士変更登録申請書」は,登録事項に変更が生じたときに提出する書類です。事務所の所在地だけでなく,氏名などに変更があった場合にも手続きが必要になります。
ところで,この申請書には不思議なことがあります。所定の様式が決まっているのですが,なぜか縦書きなのです。
行政機関に提出する申請書や届出書は,横書きのものがほとんどです。ワタシ自身,これまでさまざまな行政手続に携わってきましたが,縦書きの申請書はあまり見た記憶がありません。海事代理士の登録時に提出した書類も縦書きだったように思います。
なぜ海事代理士の書類は縦書きなのか。何か歴史的な理由があるのでしょうか。いつか機会があれば,調べてみたいと思っています。
この申請書は東北運輸局のホームページからダウンロードでき,手書きでもパソコンで作成しても提出できます。
しかし,今回のワタシには,絶対にパソコンで作成しなければならない理由がありました。
それは,「塩竈」の「竈」という字を,手書きで書くことができないからです。
「塩釜」という表記でも一般には通じますし,ワタシも塩竈市に事務所を移転するまでは,ほぼ100%「塩釜」と書いていました。
ところが,塩竈市に来てみると,街のあちこちに「塩竈」の文字があふれています。どうやら,この街には「正式には『塩竈』ですよ」という空気が満ちているようなのです。
そんな空気に触れているうちに,ワタシも名刺や正式な登録には「塩竈」を使おうという気持ちになりました。
ところが,いざ書こうとすると,これが難しい。
「竈」という字は,見れば見るほど複雑です。ワタシも練習してみようとは思うのですが,いざ手を動かすと,どこから書き始めればよいのかさえ怪しくなります。
先日,立ち寄った喫茶店には,なんと「簡単に竈を書く方法」というポスターまで貼られていました。
それほどまでに,この街では日常的な漢字なのです。塩竈市民にとっては当たり前でも,新参者のワタシにとっては,なかなか手ごわい相手です。
いつか,この「竈」という字をさらりと手書きできるようになったら,ようやく塩竈市民の一員として認められたような気分になるのかもしれません。
行政書士や海事代理士の仕事をしていると,法律や制度を理解することはもちろんですが,書類に記載する住所や氏名など,基本的な情報を正確に扱うことも大切です。
ワタシたちが作成する書類の一文字が,お客さまの手続きに関わることもあります。だからこそ,正式な表記を確認し,間違いのない書類を作ることを心がけています。
もっとも,今回の「竈」については,パソコンに助けてもらいました。
海事代理士としての登録変更は無事に完了。あとは,塩竈市民としての修行が残っています。
ワタシが「竈」の字を手書きできるようになる日と,海事代理士として一人前になる日。
さて,どちらが先に来るのでしょうか。

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