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一か月の早さを感じる日

早いもので,もう8月になりました。

ワタシには,毎月月初めに必ず行う大切な仕事があります。それは,長期入院されている「おひとりさま」のもとを訪ねることです。

ご本人の体調やお気持ちを伺い,生活費をお届けしたり,必要な手続きのご相談に応じたり,日用品をお持ちしたりします。病院へ向かうたびに,「もう一か月が経ったのか。本当に早いなぁ」と,時の流れの速さを実感します。

ワタシがお手伝いしているのは,78歳の女性です。もともとお体が不自由でしたが,長年生活を支えてこられたご主人が亡くなられたことで,日常生活を支えてくださる方がいなくなってしまいました。ご親戚の皆さまもご高齢で,継続的な支援が難しい状況となり,ご縁があってワタシがお手伝いをさせていただくことになりました。

この支援は,「生前事務委任契約」に基づいて行っています。

生前事務委任契約とは,ご本人に十分な判断能力があるうちに,将来必要となる財産管理や各種手続き,日常生活上の事務などを,信頼できる家族や専門職へ委任しておく契約です。

さらに,将来,認知症などによって判断能力が低下した場合に備えた任意後見契約や,お亡くなりになった後の葬儀・納骨,各種契約の解約,遺品整理などを定める死後事務委任契約まで,一連の契約を併せて締結される方も少なくありません。

ワタシがお手伝いしている方も,生前事務委任契約だけではなく,将来を見据えた一連の契約をワタシとの間で締結しています。つまり,ワタシは人生のある一場面だけではなく,その方の人生に長く寄り添いながら支援をさせていただいているのです。

「もしもの時には誰へ連絡するのか」

「どのような葬儀や納骨を希望されるのか」

「亡くなられた後の財産や身の回りの品をどのように整理するのか」

こうしたことは,元気なうちにご本人の意思を確認し,十分に話し合って決めておくことが大切です。

これらの契約は,公証人が作成する公正証書によって締結します。公正証書として残しておくことで,ご本人の意思を明確な形で将来へ引き継ぐことができ,ご家族や関係者の負担を軽減することにもつながります。

近年は,身寄りの少ない方や,お子さんがおられないご夫婦,ご家族が遠方にお住まいの方など,将来に不安を感じておられる方が増えています。ワタシは,こうした契約は単なる法律手続きではなく,「安心して毎日を暮らすための備え」だと考えています。

さて,今月も一か月分の会計報告書を作成し,生活費を銀行で引き出し,頼まれていた品物を購入して病院を訪問しました。

病室では,いつものように他愛ない世間話に花が咲きました。ご病気ではありますが,お顔の色つやも良く,お元気そうなご様子で,会話の受け答えもしっかりされており,判断能力にも全く問題はありませんでした。

今月は,ご本人から頼まれていたパズルと間違い探しの雑誌をお届けしました。「毎日これで頭の体操をします」と笑顔で話される姿を見て,ワタシも思わずうれしくなりました。

来月も,また元気なお顔にお会いできることを楽しみにしています。

行政書士というと,「書類を作る仕事」というイメージを持たれる方が多いかもしれません。しかし,ワタシがこの仕事を通して実感しているのは,書類を作ることが目的ではなく,その先にある「安心した暮らし」を支えることこそが,本当の仕事だということです。

だからこそ,ワタシは来月も病院へ向かいます。そして,「もう一か月経ったのですね」と笑いながらお話しできる時間が,今から楽しみですし,これからも大切にしていきたいと思います。

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