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不要品に見えたものの価値

先日,自宅で仕事をしていると電話が鳴りました。

「不要になったパソコンやプリンタ,オーディオ機器,デジカメなどはありませんか」

そんな内容でした。

ワタシは最初,廃品回収業者からの電話だと思いました。ちょうど先日,長年使っていたプリンタが故障し,新しいものに買い替えたばかりです。使わなくなったプリンタも何台かあり,処分に困っていたところでしたので,引き取ってもらおうと思い,訪問をお願いしました。

ところが電話を切った後で,ふと不安になりました。

最近は,いわゆる「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」による事件が連日のように報道されています。配管工事や屋根修理の見積もりを口実に家へ入り込み,家族構成や室内の様子を探る手口もあると聞きます。

「大丈夫だろうか」

そんな考えが頭をよぎりました。

そこで,相手が名乗った会社名をインターネットで調べてみると,会社のホームページもあり,所在地や電話番号も確認できました。もちろん,それだけで絶対に安心とは言えませんが,少なくとも実在する事業者であることは確認できました。

少しだけ胸をなで下ろしながら,訪問を待つことにしました。

ほどなくして玄関のベルが鳴りました。

ドアを開けると,感じの良い青年が立っていました。名刺をいただき,説明を聞くと,ワタシが想像していた廃品回収業者とは少し違っていました。

その会社は古物商であり,再販できる商品を買い取る仕事をしているとのことでした。つまり,商品価値があると判断されたものは買い取るが,価値がないと判断されたものは引き取れないというわけです。

なるほど,話を聞いてようやく仕組みが理解できました。

ワタシはプリンタ3台と,古いステレオアンプを査定してもらいました。

その結果,プリンタ2台は買取対象外とのことでした。いずれもメーカーが既にプリンタ事業から撤退しており,修理や部品供給の見込みがないため,再販が難しいそうです。

一方で,プリンタ1台とステレオアンプについては買い取ってもらえることになりました。

しかも,提示された金額はワタシの予想を大きく上回るものでした。

ワタシはこれまで,このような品物をリサイクルショップへ持ち込むと,「二束三文」という言葉がぴったりくるような査定額になるものだと思い込んでいました。ところが今回の業者さんは,「そんなに高く買い取って大丈夫なのですか」と思うほど良心的な金額を提示してくれたのです。

なぜそのような価格で買い取れるのかを尋ねると,業者さんは買い取った品物をそのまま販売するだけではなく,必要に応じて清掃したり,修理したり,部品を交換したりして,付加価値を足して市場へ送り出しているとのことでした。

なるほどと思いました。

ワタシにとっては「もう使えない不要品」だったものでも,手を加えることで新たな価値が生まれるのです。

そして,この話を聞いていて,行政書士の仕事にもどこか通じるものがあるように感じました。

行政書士が扱う書類そのものは,紙に文字が書いてあるだけです。遺言書も,契約書も,相続関係説明図も,見た目だけなら数枚の紙に過ぎません。

しかし,そこにお客様の思いや事情を丁寧にくみ取り,法的な観点から整理し,分かりやすい形に整えることで,その書類は単なる紙ではなくなります。

それによって相続手続が円滑に進んだり,将来の争いを防いだり,不安を抱えていた方が安心して暮らせるようになったりします。

ワタシは行政書士として,お客様が抱える悩みや不安を整理し,手続という形に整えることで,新たな価値を生み出せる存在でありたいと思います。

不要品を再び価値ある商品へと生まれ変わらせる古物商の仕事に感心するとともに,ワタシ自身も「手続の先にある安心」を提供できる行政書士でありたいと,あらためて感じた一日でした。

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