30年選手のワイシャツと「第0次試験」
以前にも書きましたが,ワタシはサラリーマン時代,身だしなみにはあまり頓着しない人間でした。
スーツもワイシャツも,「着られれば十分」という感覚で選んでいましたし,多少ヨレヨレになっても気にすることはありませんでした。今振り返ると,決して褒められた話ではありません。
ところが,60歳で会社を退職し,行政書士として独立してからは考え方が大きく変わりました。
ワタシは,「きちんとした身だしなみは,行政書士としての能力を評価していただく前の『第0次試験』」だと思っています。どれだけ知識や経験があったとしても,初対面でだらしない印象を与えてしまえば,その先の話を聞いていただけないかもしれません。
そこで,サラリーマン時代から着ていたヨレヨレのスーツやシャツは思い切って処分し,スーツもシャツも新調しました。今では,清潔感のある服装を心掛け,靴やネクタイにも気を配るようになりました。
そんなワタシですが,実は30年近く愛用しているワイシャツがあります。
購入したのは1996年。海外出張で訪れたアメリカ・ワシントンD.C.で,Burberryのブティックに立ち寄った際に買い求めたものです。当時はまだブランド名表記が「Burberrys」であった時代でした。
ブルー系の柄物で,スタンダードカラー,そしてダブルボタン仕様のカフスが特徴のお気に入りの一枚です。出張先でシャツが足りなくなり,急遽購入したものだったのですが,それ以来ずっと現役です。
なぜここまで長持ちするのかは分かりません。日本で購入する一般的なシャツよりも生地がやや厚手だったことも理由かもしれません。しかし,相応の頻度で着用しているにもかかわらず,驚くほど型崩れしないのです。
クリーニングから戻ってくると,襟も袖もパリッと仕上がっています。30年近く使っているにもかかわらず,袖や襟の擦り切れや縫い目のほつれもほとんど見当たりません。正直なところ,自分でも信じられない気持ちです。
アメリカ製というと,日本製に比べて品質面で劣るようなイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし,ワタシの経験では必ずしもそうではありません。
かつてアメリカのシャツメーカーである Paul Fredrick から,シャツやネクタイを個人輸入していたことがあります。どの商品も無骨なくらいしっかり作られており,耐久性は抜群でした。当時は円高だったこともあり,品質と価格のバランスが非常によく,長く愛用したことを覚えています。
最近は「安くて早い」が重視される時代ですが,本当に良いものは,年月を経てもその価値を失わないのだと思います。
この30年選手のワイシャツも,ワタシの身だしなみを支える大切な戦力です。生地が擦り切れるその日まで,大切に使い続けたいと思っています。
行政書士の仕事も同じかもしれません。見た目は地味でも,長く使われるものには理由があります。書類も手続きも,派手さより正確さと信頼性が大切です。
このワイシャツが先に寿命を迎えるのか,それともワタシが行政書士を引退するのが先なのかは分かりません。ただ,一つだけ確かなのは,どちらも最後まで現役で頑張りたいということです。

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