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「紹介します」という電話の向こう側

今日,仕事をしていたところ,「福利厚生サービスの一環として,相続業務を担当できる行政書士を探している」という電話がかかってきました。

話を聞くと,こちらが毎月一定額の会費を支払えば,相続業務を紹介するという内容でした。最近増えている「福利厚生代行サービス」の一種で,契約企業の従業員から希望があれば,提携する士業を紹介するという仕組みです。

実は,この手の営業電話は今回が初めてではありません。

ワタシが行政書士登録をしてから,同じようなビジネスモデルの勧誘は何度も受けています。そのたびに,ワタシは自分の営業方針を説明し,丁重にお断りしています。

資格を取得したばかりの士業にとって,「お客さまを獲得する」というのは本当に大変です。特に開業直後は,右も左も分からず,「まずは実績を作らなければ」と焦る気持ちにもなります。そのような中で,「仕事を紹介します」「集客を代行します」という話に魅力を感じる方がいるのも,決して不思議ではありません。

士業の世界には,昔から「ひよこ狩り」という言葉があります。資格を取ったばかりの新人士業に近づき,高額セミナーやコンサル契約を勧めるような商法を指す言葉です。

もちろん,今回お電話をくださった会社を,そのような業者と同列に扱うつもりはありません。実際に,きちんとした理念で運営されている会社もあるのでしょう。

ただ,ワタシ自身は,基本的に「独自路線」でやっていきたいと考えています。

理由は簡単です。行政書士の報酬というのは,本来,その専門性や責任に見合った対価であるべきだとワタシは考えているからです。

もちろん,お客さまの事情に応じて,できる限り柔軟に対応することは大切です。必要であれば,報酬面で譲歩することもあるでしょう。

しかし,そこにさらに紹介料や中間マージンが入り,報酬の3割や5割が差し引かれるとなると,話は別です。

その状態で,本当に責任ある仕事ができるでしょうか。

少なくとも,ワタシには難しいと感じます。

もし不足分を補うために報酬を上乗せすれば,それは結果としてお客さまの負担になります。それでは,「お客さまのための仕事」ではなくなってしまう気がするのです。

ワタシは,行政書士という仕事は,単なる「代書屋」ではないと思っています。

人生の中で何度も経験することのない相続や許認可の場面で,不安を抱えた方のお話を聞き,整理し,必要な手続きを進めていく。そこには,単なる事務処理以上の責任があると思っています。

だからこそ,ワタシは「この人に頼みたい」と思ってくださる方と,信頼関係の中で仕事をしたいのです。

毎日ブログを書いているのも,この考えと無縁ではありません。業務知識だけではなく,日々何を考え,どんな価値観で仕事をしているのか。それも含めて,「相原という行政書士」を知っていただきたいと思っているからです。

もちろん,本音を言えば,お客さまは喉から手が出るほど欲しいです。

しかし,だからといって,「とにかく件数だけ増えれば良い」とは考えていません。

人生の大切な手続きをお任せいただく以上,こちらも誠心誠意向き合いたい。そして,「この行政書士なら任せても良い」と思ってくださる方と仕事をしたいと思います。

逆に言えば,「この人には頼みたくない」と感じるのであれば,無理に選んでいただく必要はありません。納得いくまで比較検討していただければ良いと思っています。

行政書士の仕事は,「依頼を受けること」で終わるのではなく,「お客さまに満足していただき,安心していただくこと」がミッションなのです。

ですからワタシは,今日もお客さまのお役に立つため,書類と格闘しています。

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