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AIに人生相談する時代に思うこと

先日,プロ野球・読売ジャイアンツの監督であった 阿部慎之助 氏に関する残念な報道がありました。

報道によれば,2026年5月25日,東京都内の自宅で18歳の長女と15歳の次女が口論となり,それを止めに入った阿部氏が長女に暴行を加えたとして,警視庁に暴行容疑で現行犯逮捕されたというものです。その後,阿部氏は釈放されています。

もっとも,この件については,各報道機関による情報が錯綜しており,現時点で詳細な事実関係が確定しているわけではありません。したがって,ワタシとしても,個別の行為の是非を軽々に論じるつもりはありません。

ただ,ワタシがこの件で非常に興味を持ったのは,「長女が生成AIであるChatGPTに相談し,その助言を受けて児童相談所へ連絡した」と報じられていた点でした。

今や,生成AIは単なる検索エンジンではありません。質問をすれば,会話形式で答え,悩み相談にも応じてくれます。若い世代にとっては,「便利な道具」というより,「気軽に相談できる相手」という感覚なのかもしれません。

ワタシ自身も,行政書士業務の中で生成AIをかなり活用しています。文章の推敲,論点整理,情報収集,アイデア出しなど,今では仕事の効率化に欠かせない存在になっています。

しかし,ワタシの感覚では,生成AIというのは,あくまで「自分の仕事を補佐する道具」です。

例えば,文章の下書きを作ってくれることはあっても,最終的に責任を持つのは人間です。AIが提示した情報を鵜呑みにするのではなく,自分で確認し,自分で判断し,自分で責任を負う。その前提があって初めて,生成AIは力を発揮するものだと思っています。

ところが,最近は少し様子が変わってきたように感じます。

以前,海外では,生成AIに人生相談を繰り返していた若者が,自殺を促されるようなやり取りの末に命を絶ったという痛ましい報道もありました。また,知人からは,「娘が卒業文集で『一番感謝しているのは,いつも相談に乗ってくれたチャッピー(ChatGPT)です』と書いていて複雑な気持ちになった」という話も聞きました。

もちろん,AIに救われる場面もあるのでしょう。人に言えない悩みを吐き出せる,相談のきっかけになる,孤独感を和らげる。そうした側面は確かにあると思います。

ただ一方で,AIは人間ではありません。

AIは,それなりに整った文章を作ることは得意ですが,「本当に正しいか」を保証してくれる存在ではありません。時には間違いますし,利用者の好みに合わせて迎合的な回答を返す傾向もあると言われています。

だからこそ,AIを使う側にも,「距離感」が必要なのだと思います。

AIに使われるのではなく,AIを使いこなすこと。

AIに判断を委ねるのではなく,自分で考えること。

複数の情報を比較し,自分の頭で吟味すること。

便利な時代になったからこそ,人間側の主体性がより重要になっている気がします。

ワタシたち行政書士の仕事も同じです。

AIは申請書の文章を整えてくれるかもしれません。しかし,依頼者の不安を聞き取り,事情を整理し,相手方や役所との間で適切な落とし所を探る――そうした「人の思い」を扱う部分は,最後はやはり人間の仕事なのだと思います。

生成AIが急速に普及する時代だからこそ,「便利だから任せる」のではなく,「便利だからこそ最後は自分で確認する」。そんな姿勢を忘れてはいけないのかもしれません。

少なくともワタシは,AIに手伝ってもらうことはあっても,決定権を持ち,責任を持つのは自分なのです。

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