謎解きゲームで鍛える柔軟な思考〜行政書士の現場と重なる60分〜
先日,東京に行って「リアル脱出ゲーム」に挑戦してきました。
実は先日,東京の行政書士の皆様とクイズでお手合わせする機会があったのですが,そのときのご縁でお誘いをいただき,今回初めて挑戦することとなったのです。
ワタシはこれまで「謎解き」というものを,「なぞなぞ」の延長線上にあるようなものだと思っていました。しかし,実際に体験してみると全然違うのですね。100人近くが同じ会場に集まり,参加者全員が主人公となってロールプレイングゲームの世界に入り込む。そんな熱気に満ちた空間でした。
今回挑戦したのは,人気作品『葬送のフリーレン』の世界を舞台にした謎解きです。のちに魔王を討伐する,勇者ヒンメルたちの旅の途中の物語。
勇者一行が訪れたのは,魔族の魔法によって村人同士が憎しみ合うようになってしまった村。しかし,恐ろしいことに魔族は村人に紛れ込んでおり,なかなか見つかりません。しかも,あろうことか勇者ヒンメル自身まで魔法にかかってしまうのです。
ヒンメルが完全に操られてしまうまで,残された時間はわずか60分。
ワタシたち参加者は,村人から情報を集めながら,村に潜む魔族を探し出さなければなりません。果たして60分以内に魔族を見つけ出し,村に平和を取り戻すことができるのか——というストーリーです。
参加者は,会場で出される様々な謎を制限時間内に解き明かしていきます。
単純なパズルもあれば,深く考え込まないと解けないもの,あるいは会場に張り出された情報や配布された冊子に書かれた複数のヒントを複雑に組み合わせないと答えに辿り着かないものまで,本当に様々です。
手慣れた参加者の方々は次々と謎を解き,真相に迫っていきます。一方で初挑戦のワタシは,なかなか思うに任せません。同じチームになった2人の方と知恵を絞り,あーでもない,こーでもないと頭を抱えましたが,なかなか先へ進めないのです。
結局,60分以内にすべての謎を解き明かすことはできず,ワタシたちのチームはヒンメルを,そして村人を救うことができませんでした。最後まで突破できたのは全体の3割程度でしょうか。なかなかに歯ごたえのある,難しいゲームでした。
しかし,初めての謎解きゲームは,失敗に終わったものの非常に面白い体験でした。
設定されたストーリーの魅力はもちろんですが,提示される謎も,最初は「えっ,これのどこにヒントが?」と途方に暮れるようなものばかりでした。それが,ゲームが進み頭の使い方が分かってくると,アタマの中にスッと解法が入ってくるようになるのです。
よく「右脳・左脳」などと言われ,人間は普段の行動パターンによって頭の使う場所が偏り,使わない部分が出てくると言われます。一通りの挑戦を終えたとき,ワタシはまさに「今日は普段まったく使っていない頭の領域を,フル回転で使い切ったな」という心地よい疲労感を味わっていました。
そして,こうした体験は,日々の仕事をする上でもすごく有益だなと感じました。
ワタシたちは,仕事を続けていると,長年の習慣や慣れによって考え方がパターン化し,「こう決まっている」「以前もこうだった」といった先入観にとらわれがちです。しかし,実際の社会やビジネス現場は常に変化しており,決まり切ったパターンだけでは対応できない新しい局面や不測の事態が次々と起こります。
凝り固まった先入観を捨て,多角的な視点から物事を見つめ直す——。今回の謎解きは,まさに新しいビジネスや課題に挑戦する際の心得を,体験型ゲームの中で示してもらったような気がしています。
さて,ここで行政書士としての仕事に話を戻しますと,実はお客さまから持ち込まれる許認可や書類作成のご相談も,この「謎解き」にどこか似ているところがあります。
複雑に絡み合った法令の解釈や,一見すると繋がらない様々な事実・資料の集積。そこから「お客さまの目指すゴール」に辿り着くための最短ルートを見つけ出す作業は,まさに現場で挑む実戦の謎解きそのものです。
今回のゲームでは,残念ながら時間切れとなり勇者ヒンメルを救うことはできませんでした。しかし,実際の行政書士の現場では「失敗しました」で終わらせるわけにはいきません。
お客さまが抱える複雑な「手続きの謎」や「書類の壁」に直面したとき,ワタシは行政書士として,あらゆる角度から知恵を絞り,制限時間内に必ずやクリア(解決)へと導いてみせる——そんな決意を新たにした次第です。
これまでのクイズという趣味の世界に加え,今回,ワタシの「遊び」の引き出しに「謎解き」という新しい世界が加わりました。これからも同業の皆様や友人と機会があれば,積極的に挑戦し,頭のトレーニングを続けていきたいと思います。

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