最新情報NEWS

電気自動車について考えてみました(前編)

最近,電気自動車を見かけることがずいぶん増えてきました。

中国や米国のメーカーのEVも日本の街中で見かけますし,国産車にもさまざまな車種が登場しています。

以前は「電気自動車なんて,まだまだ先の話だろう」と思っていましたが,今ではすっかり身近な存在になりました。

EVの課題としてよく言われるのが,車両価格と航続距離です。

ただ,バッテリー性能は着実に向上していますし,急速充電器の高出力化も進んでいます。日本でも2030年に向けて,充電インフラを30万口まで増やす目標が掲げられています。EVそのものの技術は,確実に進歩しているのでしょう。

では,電気自動車の未来は明るいのでしょうか。ワタシは,そこに少し疑問を持っています。EVがダメだと言いたいわけではありません。むしろワタシが気になっているのは,「電気」というエネルギーを使って自動車を走らせることの便利さと不便さです。

ワタシは電力会社に長く勤めていましたから,どうしても自動車そのものより,「その電気はどこから来て,どうやって運ばれるのか」と考えてしまいます。

例えば,砂漠の真ん中を想像してみます。

道路は一本あります。

ガソリンスタンドはありません。

もちろん電線もありません。

そこをEVで走っていて,「そろそろ充電しなければ」となったらどうするのでしょう。コンセントを探しても,砂漠の真ん中にはありません。これは少し極端な例ですが,ワタシが言いたいのはこういうことです。

電気は,ガソリンや軽油とは違うのです。

ガソリンや軽油なら,タンクローリーで運んで現地のタンクに貯めておくことができます。電力についても蓄電池などを使って貯めることはできますが,大量に貯めておくことはできませんし,電気を必要な場所まで届けるには,基本的に電力網か発電・蓄電設備が必要になります。

だからEVは,「自動車だけを電気にすればいい」という話ではありません。

自宅,職場,商業施設,高速道路など,さまざまな場所に充電設備が必要になります。

実際,世界的にも自宅で充電できる人にとっては自宅充電が一般的な方法であり,一方で長距離移動には高速道路などの急速充電インフラが重要だとされています。つまり,EVが普及するということは,単純にガソリン車をEVに置き換えるだけではありません。社会全体に「電気を補給できる仕組み」を張り巡らせることでもあるのです。

これは都市部なら比較的やりやすいでしょう。

しかし,人口の少ない山間部や離島,広大な国土を持つ国の僻地,そして先ほどの砂漠のような場所では,話が違ってきます。大型トラックなども同じです。

大きな車体を長距離走らせるには,大量のエネルギーが必要になります。

もちろん大型車の電動化も技術開発が進んでいますので,都市部などではバスの電気自動車も見かけるようにはなっています。ですから,「大型車は絶対にEVにならない」とまで,言うつもりはありません。

ただ,乗用車と大型トラックまでを一括りにして,「これからは全部電気」と考えるのは,少し乱暴ではないかと思うのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP