最新情報NEWS

酷暑のインターハイに思う,環境を整えるという責任

今年の高校総体陸上競技は,7月30日から滋賀県で開催されます。ワタシの母校からも,男女合わせて10名の後輩たちが出場することになりました。

ワタシたち後援会は,出場決定後,遠征費支援のための寄付を募り,「競技に専念してほしい」という思いを込めて支援金を贈りました。3年生にとっては高校生活最後の大舞台であり,1・2年生にとっては将来につながる貴重な経験です。それぞれが悔いのないパフォーマンスを見せてくれることを願っています。

ところで,今年の大会は7月30日から8月5日までの7日間。ワタシの記憶では,従来は5日程度の開催だったはずです。不思議に思い調べてみると,今年は競技開始が17時以降のナイター開催となっていることが分かりました。競技時間を短縮した結果,期間が延びたというわけです。

昨今の猛暑を考えれば,これは極めて現実的な判断でしょう。高校生の大会でナイター開催という結論に至ったことは,むしろ英断と評価すべきだとワタシは思います。

それに比べると,いまだに真夏の炎天下での甲子園での開催に固執している高校野球は,正直なところ理解に苦しみます。タイ・ブレーク制を導入したり,イニングを7回に短縮するなど,小手先の対応で「対策をしている」と言わんばかりですが,本質はそこではないはずです。なぜ開催地,時間帯を見直さないのか,なぜ環境そのものを変えようとしないのか。議論の方向が根本的にずれているように感じてなりません。

一方で,残念に感じる点もあります。100mや200mを除くトラック種目では,予選後はすべてタイムレースで順位が決まる方式が採用されています。本来トラック競技は,相手との駆け引きの中で勝負が決まるものです。特に長距離種目では,ペース配分や位置取りが大きく影響し,その場の判断が勝敗を分けます。

しかしタイムレース方式では,異なる組で走った記録で順位が決まるため,直接対決の緊張感やドラマが薄れてしまいます。組ごとの展開による有利不利も避けられません。この日のために努力を重ねてきた選手たちのことを思うと,「やむを得ない」と理解しつつも,どこか割り切れない思いが残ります。

こうした状況を見ると,開催地の在り方そのものも考えさせられます。例えば,比較的涼しい北海道での開催を基本とするなど,環境を優先した選択肢もあるでしょう。「持ち回り開催」という形式も大切ですが,それ以上に重要なのは,選手が持てる力を最大限に発揮できる環境を整えることではないでしょうか。実際にサッカー競技は毎年,福島のJヴィレッジでの開催に集約されており,方向性はすでに示されています。

大人の役割とは,建前や前例を守ることではなく,子どもたちが全力で挑める舞台を整えることにあるはずです。暑さが命に関わる時代にあって,なお従来のやり方に固執するのであれば,それはもはや伝統ではなく,単なる思考停止と言われても仕方がないのではないでしょうか。

インターハイの開幕が近づき,ワタシはパソコンで速報を追いながら,後輩たちの走りに一喜一憂する1週間を過ごすことになりそうです。

そして,「環境を整える」という視点は,ワタシの行政書士としての仕事にも通じています。許認可や各種手続きは目立つものではありませんが,依頼者が安心して活動できる土台を整える役割を担っています。適切なルール設計や運用がなければ,本来の力は発揮できません。

スポーツも社会も同じです。表に立つ人が全力を出せるかどうかは,その背後にある「仕組み」を整える者の責任にかかっています。その責任を果たしているかどうか,ワタシ自身も日々問われているのだと思います。

PAGE TOP