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相続手続きが劇的に楽になる『法定相続情報証明制度』の実務的メリット

昨日は,申請手続きや各種証明書の取得のため,県北のいくつかのお役所へ出張してきました。こうした手続きの多くが郵送でも対応できるのですが,昨日は少し時間に余裕がありましたし,ここ数日ずっと事務所にこもって書類を作成していたこともあって,気分転換を兼ねて直接足を運ぶことにしました。

高速道路は使わず,一般道をのんびり往復約150キロのドライブです。途中では美味しいラーメン屋さんも見つけることができ,出張とはいえ,ちょっとした小旅行のような楽しい一日になりました。

今回の目的の一つは,法務局で法定相続情報証明制度を利用した「法定相続情報一覧図」の申請です。

この制度を簡単に言えば,相続が発生した際に,国(=法務局)が「この方々が法定相続人です」と証明してくれる制度です。

相続手続きを進めるためには,まず相続人を確定しなければなりません。そのためには,被相続人(亡くなられた方)の出生から死亡までの戸籍をすべて収集し,婚姻や子どもの出生などを確認します。さらに,相続人全員について現在の戸籍や住民票などを集め,相続関係を証明する必要があります。

こうして集めた大量の戸籍(「戸籍の束」などという表現をよく使います)は,不動産の相続登記や銀行預金の払戻し,証券会社での名義変更など,それぞれの手続き先へ提出することになります。そして,提出を受けた金融機関や役所では,毎回戸籍を一枚一枚確認し,相続関係を判断しなければなりません。

申請する側にも,受け付ける側にも,大きな手間がかかるわけです。

そこで活躍するのが,法定相続情報証明制度です。

法務局が戸籍をもとに相続関係を確認し,「法定相続情報一覧図」を作成してくれます。この一覧図は,相続関係について,いわば国の「お墨付き」をくれるというわけです。

一度この一覧図を取得すれば,金融機関などではその内容を前提として手続きを進めることができますし,同時に複数の金融機関で手続きを進めることもでき,戸籍一式を何度も提出する必要もありません。相続手続き全体の負担を大きく減らしてくれる,非常によくできた制度だとワタシは思っています。

ワタシも,相続手続きをご依頼いただいたお客さまには,必ずこの制度の利用をご案内しています。取得までに少し手間はかかりますが,その後の手続きが驚くほどスムーズになるからです。

ただ,一つだけ残念に感じる点があります。

それは,申請できる法務局が全国どこでもよいわけではなく,被相続人の本籍地や不動産所在地など,一定の管轄要件があることです。もちろん郵送でも申請できますので,必ずしも窓口へ出向く必要はありません。しかし,実務では確認したい事項や相談したいことが出てくることもありますので,もう少し柔軟に受付窓口を選べれば,さらに利用しやすい制度になるのではないかと思います。

今回は,窓口の職員の方がとても親切に対応してくださり,手続きは驚くほどスムーズに終わりました。早ければ一週間ほどで一覧図が完成するとのことで,返信用のレターパックをお渡しし,安心して法務局を後にしました。

相続手続きは,「戸籍を集めて終わり」ではありません。法定相続関係を正確に確認したうえで,相続人の意向を踏まえ,遺産分割協議書を作成し(遺産分割協議は,相続人全員が合意しないと成立しません),不動産や預貯金などの名義変更へと進んでいきます。

だからこそ,ワタシは一つひとつの手続きを,できるだけ早く,そして確実に進めることを心掛けています。大切な方を亡くされた直後のお客さまは,精神的にも大きな負担を抱えていらっしゃいます。そのような時だからこそ,「手続きと書類のことは安心して任せられる」と思っていただける存在でありたいと考えています。

昨日も県北まで往復150キロを走ってきましたが,お客さまにとっては,その150キロを走る必要はありません。その距離も,時間も,手間も,行政書士であるワタシがお引き受けします。

相続手続きは,「書類を作る仕事」ではありません。お客さまの負担を少しでも軽くすることこそが,行政書士の仕事なのだと,改めて感じた一日でした。

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