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「お風呂テレビ」生産終了が教えてくれたこと

ワタシは,お風呂でよくテレビを見ています。

ややぬるめのお湯に20分から30分ほどゆっくりつかることを習慣にしており,心身のリラックスにはとても良い時間だと思っています。湯船につかりながら,仕事のことや日常のことを考えることもありますが,正直なところ,何もしないで30分過ごすのは少し退屈です。そのため,ワタシはお風呂でテレビを見ながら過ごしています。

そのために使っているのが防水テレビです。

現在使っているのは,地上デジタル放送への移行が進んでいた2010年ごろに購入したパナソニック製の防水テレビです。地上波放送だけでなく,自宅のレコーダーに録画した番組やインターネット動画も視聴できる優れもので,毎日の入浴時間を支えてくれました。

ところが,15年以上使い続けた結果,最近は内蔵充電池の劣化が進み,30分ほど視聴すると電池切れになるようになってしまいました。

そこで後継機種を購入しようと家電量販店へ行ったところ,「後継機種は生産終了となりました。当店の在庫もありません」という予想外の返答を受けました。

正直ビックリしました。もちろん,「お風呂でテレビを見る」という目的だけであれば,他社製品を含め代替品はあります。しかし,地上波放送だけでなく,録画番組や動画配信サービスを快適に視聴できる製品となると選択肢は極めて限られます。

これからお風呂でテレビや動画を見られなくなるのは困る

そう思い,市内の家電量販店に片っ端から電話をかけたところ,3店舗目で「最後の1台があります」という返事をいただき,なんとか購入することができました。

今回の出来事で不思議に思ったのは,「お風呂で動画を見る人は決して少なくないはずなのに,なぜ生産終了になったのだろう」ということです。

少し考えてみると,答えは案外単純なのかもしれません。

お風呂で動画を見る人は今でもたくさんいます。しかし,その多くは専用の防水テレビではなく,防水性能を備えたスマートフォンやタブレットを利用しています。動画配信サービスの普及によって,視聴の中心はテレビ番組からインターネット動画へ移りつつあります。そして,動画を見るための端末も専用機器からスマートフォンへと変化しているのでしょう。

興味深いのは,こうした変化が若い世代だけのものではないことです。ワタシの周囲でも,高齢の方がスマートフォンで動画を見たり,地図を調べたり,買い物をしたりする姿を見かけることが珍しくなくなりました。かつてはパソコンで行っていたことの多くを,今ではスマートフォン1台で済ませる時代になっています。

考えてみれば,これは行政書士の仕事の世界でも同じです。

企業の手続は紙からデジタルへと急速に移行しています。建設業や産業廃棄物処理業などの許認可申請でも電子申請が利用される場面が増えましたし,法人設立や各種届出についてもオンライン化が進んでいます。

行政の世界も例外ではありません。マイナンバーカードの普及に伴い,各種証明書の取得や行政手続のオンライン化が進められています。少し前までは役所の窓口へ出向かなければできなかった手続が,自宅のパソコンやスマートフォンから行えるようになりつつあります。

ワタシ自身は便利な専用機器を好みますが,社会全体の流れは確実に変わっていました。

自分の視点だけで世の中を見ていると,社会全体の変化を見落としてしまうことがあります。今回の「お風呂テレビ」生産終了のニュースは,そんな当たり前のことを改めて教えてくれました。

行政書士は法律を扱う仕事ですが,法律だけを知っていればよいわけではありません。社会がどの方向へ進んでいるのかを理解しなければ,お客さまにとって本当に役立つ提案はできません。

風呂テレビが姿を消しつつあることは少し寂しく感じます。しかし,その背景には社会全体のライフスタイルや技術の変化があります。

そう考えると,今回手に入れた「最後の1台」は,ワタシに大きな気づきを与えてくれました。そうです,ワタシ自身も,古いテレビのように「昔は便利だった」と言われる存在にならないよう,社会の変化を学び続けながら,少しずつバージョンアップしていきたいと思います。

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