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心から寛いだ秋保の湯,充実の2日間

昨日は,結婚30年の節目となる「真珠婚式」のお祝いで,妻とともに秋保温泉へ出かけてきました。

普段のワタシなら,「これは少し分不相応ではないか」と感じてしまうような高級旅館です。ところが今回は,妻の会社で特別なボーナスが出たらしく,「今日はワタシの奢りだから」と太っ腹な一言。ありがたく甘えることにしました。

しかも今回は,愛犬も同じ部屋に泊まれるというのが何よりうれしいところです。最近はペット同伴可能な宿も増えましたが,「部屋まで一緒」というのはまだまだ貴重です。愛犬もどこか特別な空気を感じているのか,朝から妙に落ち着きがありませんでした。

もっとも,こういう温泉旅館は休前日が驚くほど高いのですが,火曜日や水曜日の平日は比較的手が届きやすい価格になります。ワタシは仕事を調整すれば平日でも動けますし,妻もちょうど特別休暇が取れたため,「それなら今週しかない」ということで数か月前から予約していました。

ところが,仕事というのは実に生き物です。

2か月も前から「この日は温泉」と決めていたにもかかわらず,仕事は容赦なく予定の隙間に入り込んできます。今回はワタシの段取り不足もあり,出発日の午前中に,どうしても福島県北部のお役所へ出向かなければならなくなりました。

ということで,当日は早朝に仙台を出発。10時から打ち合わせを済ませ,終了後はそのままとんぼ返り。家に戻って妻と愛犬を乗せ,慌ただしく秋保へ向かうという,なんとも落ち着かない休日のスタートとなりました。

今回泊まった旅館の「愛犬ルーム」は一室限定とのこと。他の犬と鉢合わせしないので,犬見知りの子にはありがたい配慮です。

通された部屋は,ベッドルームとリビングが分かれたタイプで,ホテルで言えばほとんどスイートルーム。どちらの部屋も12畳はありそうな広さです。窓の外には川が流れ,深い杜が広がっています。実に美しい景色なのですが,「あそこに熊がいても不思議ではないな」と思わせるほど自然が濃い。秋保らしい風景でした。

部屋に入ると,愛犬は早速,室内の警戒活動を開始。隅から隅まで丁寧に匂いを嗅ぎ回り,安全確認を終えると,「ここが最も安全」と判断したのでしょう。テーブルの下に潜り込み,安心したように昼寝を始めました。

ワタシはさっそく大浴場へ。

露天風呂には温度の違う湯船が三つあり,熱めの湯からぬるめの湯へ移りながら,ゆっくり身体をほぐしていきます。川の音を聞きながら湯に浸かっていると,午前中に役所で書類を広げていたのが,ずいぶん昔のことのように感じられました。

夕食は個室で,愛犬も一緒です。

宮城の食材をふんだんに使った懐石料理が並び,お酒も自然と進みます。こういう時,「少しだけ飲む」ができないのがワタシの悪い癖ですが,この日は無礼講ということにしました。

その夜は何度も風呂に入り,気がつけば早々に夢の中へ。愛犬も相当疲れていたらしく,心配していた夜鳴きもなく,ぐっすり眠っていました。

翌朝は,同じ個室で和朝食。

お膳にはご飯の友が並び,汁物は伊達政宗も好んだという芋の子汁。要するに豚汁ですが,こういうものが実にうまい。最近はビュッフェ形式の宿も多いですが,落ち着いてゆっくり食べられる和定食もやはり良いものです。

朝食後は,再び温泉へ入り,部屋でぼんやり過ごしました。

滞在中は,テレビも見ず,ネットもほとんど触らず,携帯電話すら放置状態。持参した本を少しだけ読み,あとは妻と話をしたり,窓の外を眺めたりして過ごしました。

「何もしない」というのは,実はとても贅沢な時間なのかもしれません。

できることなら,あと2泊くらいして寛ぎたいところでしたが,もちろん現実はそう甘くありません。

仕事は,やはり非情です。

実はこの日も,午後から県北で仕事の予定が入っていました。帰宅後,昼食を済ませると,今度は片道70キロのドライブです。

お客さまのところへ伺い,自動車のナンバーを取り付け,封印を打ってきました。

ワタシは「丁種会員」として出張封印を行っておりますので,お客さまはわざわざ仙台の陸運支局まで車を持ち込む必要がありません。特に県北のお客さまには,「助かる」と喜んでいただくことも多く,ワタシとしてもやりがいのある仕事です。

夕暮れの道を仙台へ戻り,ようやく二日間の日程が終了しました。

温泉と仕事。

休暇と実務。

非日常と現実。

そんなものが濃密に入り混じった,少し不思議な二日間でした。

それでも,しっかり休み,しっかり働くと,「また明日から頑張ろう」という力が湧いてきます。

真珠婚式の温泉旅行の締めくくりが,まさか県北での出張封印になるとは思いませんでしたが,考えてみれば,これも今のワタシらしい人生です。

温泉旅館では愛犬の安心できる居場所を整え,仕事ではお客さまの大切な車に最後の「封印」を施す。

結局ワタシは,休みの日まで「安心していただく仕事」をしているのかもしれません。

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