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「おいものおじちゃん」の思い出 ― 火力発電所のイモ掘り体験会

Facebookを眺めていたら,懐かしい写真が出てきました。

3年前,秋田の火力発電所に勤務していた頃,近所の幼稚園児を招いて発電所内に作ったイモ畑で芋掘りをしたときの写真です。懐かしく,思わず見入ってしまいました。

火力発電所というのは,現代の生活に欠かせないインフラである一方で,騒音や排煙といった課題も抱えた,迷惑施設,いわゆる“NIMBY(Not In My Backyard)”的な存在でもあります。

だからこそ,地域の皆様に電気事業への理解を深めてもらい,良好な関係を築くために,様々な地域交流行事を行っていました。このイモ掘り体験も,その一環です。

この年は,近隣の幼稚園6園を招待して開催しました。

本来こうした行事は広報担当の社員が中心に進めるものですが,その担当者が退職してしまい,後任が見つからないまま,なぜかワタシに白羽の矢が立ちました。上司からの命令なので断るわけにもいかず,「なんでオレが子供のイモ掘りの相手なんか……」と内心ぼやきながら,しぶしぶ引き受けたのを覚えています。

ところが,実際に始めてみるとこれが意外にも楽しいのです。幼稚園の先生方はとても協力的で,打ち合わせに行くたびに温かく迎えてくださり,子どもたちも大喜び。よく考えれば,イモ掘りをして,さらに所内の遊園地で半日タダで遊べるのですから,歓迎されるわけですね。

6園分のスケジュールを組み,いよいよ芋掘り本番。

中には父兄同伴で来る園もあり,一人の子に両親と祖父母の6人が付き添っていたケースもありました。園によっては遠足扱いにしてしまうなど,それぞれにぎやかで,どこも笑顔があふれていました。

子どもたちは小さな手で夢中になってイモを掘り,ワタシたち大人も安全確保に気を配りながら,スコップで補助。子どもの手が触れないようにと,細心の注意を払いました。童心に返って一緒に遊び,秋の6日間は本当に楽しい時間になりました。

イモ掘りが終わると,すぐに写真をポスターに仕立て,各幼稚園に届けました。芋掘りの興奮が冷めないうちに届けた写真はどの園でも大好評で,たくさんのお礼の電話をいただきました。「イモ掘りなんてやってられるか」と思っていたことがウソのような,本当に楽しいお仕事でした。

その後も会社で募集していた「よりそうeねっと」の会員勧誘で幼稚園を訪ねたり,さまざまな場面で協力をいただくなど,地域とのつながりが広がりました。芋掘りの効果は,想像以上に大きかったと思います。

やがてワタシはその会社を去り,秋田火力発電所も2024年7月に役割を終えて廃止となりました。あのイモ畑も,今はもうありません。

それでも,あのときの子どもたちの笑顔と,地域の方々の温かさは,今もワタシの中に残っています。

どんな仕事であれ,相手に喜んでもらえることほど,うれしいことはありません。

あの秋の芋掘り体験は,ワタシにとってサラリーマン人生終盤の,かけがえのない思い出です。

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