英語が苦手でも大丈夫? 行政書士として感じる「英語との向き合い方」
昨日は高市総理の英語について書きましたが,今日はワタシ自身の英語の話をしたいと思います。
昔から「英語はビジネスマンの必須科目」と言われてきました。しかし今や,スマホの翻訳アプリやAIの力を借りれば,英語の読み書きはほとんど不自由なくこなせる時代です。それでも,やはり「自分の言葉で」話せるに越したことはありません。
道具として便利になっても,人と人との意思疎通において「自分で伝える」ことの力は,やはり大きいと感じます。
かつて日本人は「英語は読めるが話せない」と言われていました(当時のTOEFLの国別成績などから鑑みると,事実は日本人は「英語を読めないし話せない」が事実だと思います)。
しかし最近の若者たちの語学力には本当に驚かされます。
留学経験者も増え,発音も流暢。ワタシが会社員時代に出会った若手社員たちの英語のスキルには,正直舌を巻きました。英語教育の進化を肌で感じた瞬間でした。
一方のワタシはというと,英語は決して得意ではありません。大学受験を突破できた程度の読み書きの力はあったものの,今となってはすっかり錆びつき,海外旅行に行っても片言の英語すらままならない。情けない話です。
サラリーマン時代,ワタシは電力会社の「燃料部門」で25年間働きました。
火力発電所で使う石油・石炭・LNG,原子力発電所で使うウラン燃料など――その調達や管理が主な仕事でした。いずれも海外との取引ですから,英語は避けて通れません。契約書は英文,交渉相手も外国企業。とはいえ,当時は総合商社や石油元売り会社が間に入り,翻訳や交渉も手厚くサポートしてくれたので,英語が苦手なワタシでもなんとか業務をこなすことができました。
ところが電力自由化の波が押し寄せると,状況は一変します。このような仕事も,外部任せではなく,自力で契約や翻訳を行うのが当たり前になり,英文契約書を自力で和訳し,内容を確認することを求められました。
退職間際の,ひたすら英文と格闘する日々は精神的にもとてもきつかったです。英語力の不足を痛感しながらも,何とか周りの助けを受けながら食らいついていた――そんな記憶が今も鮮明に残っています。
退職後,行政書士として独立し,いまは「申請取次行政書士」として外国人の在留手続きなどに関わっています。ここでも,やはり英語は避けて通れません。
「国際行政書士」として語学力を武器に活躍する方もいれば,「英語はまるでダメ」と笑いながらも,しっかり成果を上げている方もいます。同じ行政書士でも,語学への向き合い方はさまざまです。
ワタシはというと,英語という“永遠の苦手科目”と,今も静かに向き合っています。
AI翻訳や通訳アプリに助けられながらも,やはり「人と人をつなぐのは言葉」だと感じる瞬間があります。
行政書士の仕事も,結局は“伝える仕事”。
相手の思いを正しく理解し,制度の言葉に置き換えて伝える――その意味では,英語も行政書士の実務も,根っこは同じなのかもしれません。だからこそ,英語を完全に克服するよりも,英語を“使ってでも伝えようとする姿勢”を大切にしていきたい。
それが,ワタシなりの英語とのつき合い方だと思っています。

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