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Youtubeのミサキさんに伝えたいこと

ワタシは,最近,テレビよりもYouTubeを見る時間が増えました。テレビはどのチャンネルは,似たような顔ぶれの芸人さんが好き放題をしている番組ばかりで,スポーツ中継やニュース以外はほとんど見なくなってしまいました。その代わりに,YouTubeで情報を得たり,考えさせられる動画に出会ったりすることが多くなっています。皆さんはいかがでしょうか。

そんな中,YouTubeで繰り返し流れるあるCMが気になって仕方がありません。

登場するのは中学生のミサキさん。彼女はシングルマザーのお母さんと妹の3人暮らしです。お母さんは一生懸命パートで働いていますが生活は苦しく,朝ご飯は少ししか食べられません。午前中の授業はお腹が空いて集中できない。昼の給食は何度もおかわりするけれど,夜は母に少しでも食べてもらおうと「ダイエット中だから」と言って自分は控える。そんな日々を過ごしています。友達とファミレスに行く余裕もなく,穴の開いた上履きも我慢していました。けれど,食糧支援の団体に助けられたことで生活が少し楽になり,上履きを買え,友達と出かけられるようになった──そんなストーリーです。そして最後に視聴者に寄付を呼びかける内容になっています。

もし,これが現実なら,日本においては「あってはならないこと」だと強く憤りを感じます。日本国憲法第11条では「基本的人権」が保障されていますが,育ち盛りの子どもが満足に食事をとれない状況は,子供の基本的人権が満たされているとは到底言えず,憲法の理念に反するものだと感じるからです。

一方で,ワタシは同時に「日本の福祉は,子供が満足に食事を摂れないほどに脆弱なのか」とも考えました。調べてみると,生活保護や児童扶養手当,就学援助など,さまざまな支援制度が存在します。正しく利用できれば,三度の食事さえままならないという極端な事態は避けられるはずです。しかし現実には,制度を知らなかったり,生活保護の申請をためらったりすることで,支援が届かないご家庭が少なくないのでしょう。日本の福祉は「申請主義」ですから,手を挙げなければ制度の恩恵を受けられないのです。

こうしたとき,わたしのような行政書士がお役に立てる場面があります。生活保護や各種制度の案内,申請書類の作成支援,行政窓口への同行などを通じて,相談者の不安や疑問に寄り添いながらサポートできます(残念ながら行政書士は「申請者の代理人」になることはできませんがお手伝いはできます)。制度の存在を伝え,手続きを後押しするだけでも,大きな力になるのです。

子供の貧困問題は,日々の業務のなかで,必ずしも頻繁に出会うテーマではないかもしれません。しかし,未来の子どもたちの笑顔のために,困難に直面している方々が少しでも安心して暮らせるよう,行政書士としての役割を大切にしていきたいと考えています。もし皆さんの身近に,制度を使えずに困っている方がいらっしゃったら,どうか一人で悩まずに相談してほしい──その思いを心に留めて,これからも取り組んでいきたいと思います。

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