「幸運な失敗」から学んだ教訓
先日,地元の行政書士会が主催する研修を受講しました。
行政書士は幅広い業務を扱うため,専門的な知識とスキルを補強するための単位会やその支部で多彩な業務に関する研修が数多く用意されています。今回の研修もその一つで,修了後行われる「効果測定」と呼ばれる試験に合格することで,所定の業務を担当できる資格が与えられるものでした。
行政書士業務の中には,外国人の在留資格を扱う「申請取次行政書士」のように,所定の研修と試験に合格しなければ従事できないものが存在します。今回の研修も,その性質を持つ業務に関するものでした。
ところが,事前に配布されていた案内文を改めて読み返したところ,効果測定の出題範囲は当日の研修内容だけではなく,周辺の関連業務まで含まれること,さらに合格基準が従来よりも厳格化されていることが記されていました。この点を失念していたことに気づいたのは,前日の夕刻。慌ただしく資料を集め,まさに「一夜漬け」で準備を試みましたが,結果は惨憺たるモノに終わりました。
試験内容そのものも大分難しく,もし,十分な準備をしていたとしても合格できたかどうかはわかりません。しかしながら,事前の情報収集を怠ったことは,弁解の余地のない私自身の不手際であり,深く反省すべき点だと思いました。幸い,当該業務は「必ず担いたい」と考えていたものではないため,次回以降にどう向き合うかは落ち着いて考えたいと思います。
今回痛感したのは,「事前の確認を徹底することの重要性」です。もし実務の場で同様の見落としをしていたならば,お客さまに深刻な不利益を与え,信頼を損なう事態につながっていたかもしれません。研修の場での失敗にとどまり,「自業自得」のダメージを受けたのはワタシひとりだけだったということは,むしろ幸運であったと受け止めています。
今後は,研修や実務のいずれにおいても,十分な情報収集と準備を欠かさず,適切な対応を徹底することの大切さを身に染みて思い知らされました。この苦い経験を一つの教訓として,専門家としての責任を果たしてまいりたいと思います。今回の失敗がワタシ一人のものにとどまったことへの幸運に感謝します。

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