農地転用~この奥の深い世界~
先日,行政書士会が主催する農地転用の研修会に出席してきました。
農地転用とは,農地を宅地や駐車場,事業用地など,農業以外の用途に転用することをいいます。農地は通常の土地と異なり「農地法」によって厳格に保護されており,勝手に売買したり,農地以外の用途に転用することはできません。具体的には,農業委員会や都道府県知事の許可を得る必要があります。許可の有無によっては,その土地を活用できるかどうかが大きく変わるため,農業者や土地所有者にとって非常に重要な手続きです。行政書士は,この申請書類の作成や関係機関との調整をお手伝いし,お客さまがスムーズに手続きを進められるように支援する役割を担っています。
ワタシも行政書士として,お客さまから農地転用の依頼を受けることがあります。正直なところ,行政書士になった当初はあまり意識していなかった業務でした。しかし実際にはお客さまのニーズが高く,今では日々勉強を重ねながら取り組む大切な分野の一つになっています。
今回の研修会では,行政機関で農地を担当されている職員の方が講師を務められました。まさにこの分野のエキスパートであり,その知見の深さに唸らされました。ワタシ自身,何度か農地転用申請を経験し「もう大丈夫だろう」と自信を持っていた部分もありましたが,まだまだ知らないことが多く,「ワタシはまだヒヨッコだ」と痛感し,反省させられる場面も多々ありました。
このような研修会に参加したときは,研修会の後に開かれる懇親会も楽しみの一つです。普段はなかなか接点のない他の支部の行政書士の先生方と意見交換ができる貴重な時間であり,業務の工夫やお客さま対応の考え方など,学ぶことが多くありました。
振り返れば,ワタシは長年サラリーマンとして働き,退職後に行政書士という道に進みました。サラリーマンの定年後の再就職を「セカンドキャリア」と表現することがありますが,ワタシにとっては「人生2周目」という感覚のほうがしっくりきます。サラリーマン時代とは全く異なる先輩書士やお客さまと出会い,多くの業務を経験できることは本当に幸せだと心から感謝しています。
行政書士の仕事は,毎日が勉強の連続です。戸惑いや壁にぶつかることもありますが,「昨日より今日,今日より明日」と少しずつ進歩を実感できるのが,本当に楽しいです。これから先も未知の世界が広がっていますが,楽しみながら前に進んでいきたいと感じています。

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