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「困った医者」から学んだ、行政書士としてのあるべき姿

ワタシはこれまでの人生で,何度か「困った医者」に出会ってきました。お医者さんにかかって,不愉快な思いをされた経験は,皆さんにも少なからずあるのではないでしょうか。

ワタシが子どもの頃,お医者さんという職業は今以上に社会的地位が高く,高圧的で傲慢な態度をとる方も少なくありませんでした。患者は本来「お客さま」であるはずですが,当時は「診察していただく」という受け身の立場で,医師に対して頭が上がらない空気がありました。

時代が進み,国民の高学歴化が進行し,インターネットなどを通じて情報へのアクセスも容易になりました。医師という職業が今も尊敬される存在であることに変わりはありませんが,かつてほどの心理的なハードルは下がってきたように感じます。それでもなお,残念ながら「困った医者」は存在します。ワタシ自身,最近もそのような医師に遭遇し,大変不愉快な思いをしました。

ワタシは若い頃から血圧が高めで,現在も定期的に病院で診察を受け,検査と処方を受けています。いつも通っている病院の先生方は信頼できる方ばかりで,安心して診察を受けていました。ところがある日,同じ病院で初めて担当になった医師に違和感を覚えました。

その先生は,こちらの話をほとんど聞かず,一方的に話を進める方でした。診察の終わりに「今度,国の高血圧治療ガイドラインが改定され,診断基準が上の血圧(収縮期血圧)140mmHg未満とされました。相原さんもそれに合わせてください」と言われました。

ワタシは「先生,学生時代から血圧が140近くありましたので,それは難しいと思います」と伝えました。すると先生は「国が決めたことですから,従っていただかないと困ります」と返答。そこで「では,どうすれば良いか,先生のアドバイスをお願いします」と申し出ると,「そんなこと,あなたの体なのだからワタシにはわかりません」と言い放たれました。

医師が病気のことで患者に「そんなの知らない」と言うとは思いもよらず,「オマエは本当に医者なのか?」「それを考えるのが医者の仕事だろ!」とワタシは呆れてしまいました。それ以来,その病院には行っていません。現在は別の病院で,信頼できる先生に診てもらい,特に問題なく,安心して暮らしています。また,以前にも別の病院で,診察内容について質問したところ「それはあなたが心配することではありません」と言われたことがありました。自分の体のことを心配して何が悪いのでしょうか。その先生は,誰もが知る日本屈指の難関大学の大学院まで修了後,難関の医学部に再入学されたという非常に「お勉強のできる」方のようですが,医師として最低限必要な「患者との信頼関係を築くコミュニケーション能力」が著しく欠けていると感じました。実際,その病院を受診された複数の方からも,同様の感想を耳にしています。

こうした経験を通じて,ワタシは自分自身の仕事について深く考えるようになりました。

ワタシは行政書士として,法律や行政手続きに関する専門知識を持っています。お客さまは,何らかの困りごとや不安を抱えてワタシのもとを訪れます。多くの場合,法律や制度についての知識はほとんどお持ちではありません。つまり,ワタシは知識の面で優位に立っている立場です。

だからこそ,ワタシは常に「お客さま目線」を忘れずにいたいと思っています。専門知識をひけらかすのではなく,わかりやすい言葉で,丁寧に,親身になって対応すること。お客さまが何を求めているのかを先回りして察し,安心して任せていただけるような行政書士でありたいと,改めて強く思いました。

「困った医者」に出会った経験は,決して無駄ではありませんでした。ワタシにとって,それは「反面教師」として,自分の仕事の在り方を見つめ直す貴重な機会となったのです。

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