最新情報NEWS

おひとりさまのお手伝いで区役所に行ってきました

ワタシは現在,行政書士として,お体の不自由なおひとりさま女性の暮らしをお手伝いしています。支援内容は大きく「財産管理」と「身上看護」の2つに分かれ,たとえば入院中の金銭管理や役所への手続き,病院とのやりとり,時には必要な物品の購入など,ご本人の希望に沿った支援を行っています。

先日,仙台市が独自に実施している「障害者交通費助成」の更新手続きのため,区役所へ行ってきました。この制度は,障害をお持ちの市民の方々の社会参加を支援する目的で,市営バスや宮城交通バス,地下鉄の指定区間を無料で利用できる「ふれあい乗車証」,福祉タクシー利用券,自家用車燃料費助成券の3つの中から1つを選んで利用できる仕組みです。

ワタシがお手伝いしている方は歩行が難しく,ご自身で車を運転されないため,福祉タクシー利用券(年間3万円分)を選択しました。金額的に十分とは言えませんが,それでも移動の自由を広げる大きな助けとなり,「ありがたい制度だ」と改めて感じました。

申請初日の区役所は多くの人で混み合っており,歩行に不自由を抱える方やヘルプマークを付けた方,さらには代理で受領に来ている方も数多く見受けられました。制度の性質上,代理人による手続きが多いのは当然ですが,その光景を見ながら「代理を頼める人がいない方はどうしているのだろう」ということが頭をよぎりました。このような制度はありがたいものであっても,直接区役所に行けず,さらに代理も頼めない方が現実に存在するのではないか――そう感じたのです。もし制度の「網目」からこぼれ落ちてしまう方がいるとすれば,それは大変気の毒なことであり,社会として救済策を講じる必要があると強く思いました。ワタシは一介の行政書士にすぎませんが,こうした問題に積極的に関心を持ち,学びを深めながら,できる限りの支援をしていきたいと考えています。

また,今回の申請には本人の「身体障害者手帳」の持参が必須でした。ワタシは当日の朝にお客さまを訪問し手帳をお預かりし,手続き完了後すぐに郵便局から書留で返送しました。しかし「もし代理人が手帳を紛失したらどうなるのか」と考えると,その責任は重大です。委任状や手帳のコピーなどで代用できる仕組みがあれば,本人も代理人もより安心できるはずです。行政には,不自由を抱える方の事情を丁寧に斟酌し,より安全で簡便な手続きへの改善を切に望みます。

福祉制度は,すべての人が安心して暮らしていけるように設けられ,多くの施策が整備されています。しかし,その存在を知らなければ利用できず,また誰かの助けがなければ恩恵にあずかれない場合もあります。「利用できるかどうか」で格差が生まれてしまっては,本当の意味での福祉とは言えないと思います。

ワタシは行政書士として,制度の届かない方を一人でも救えるよう努めていきたいと考えます。制度の網目からこぼれる人がいない社会を願い,お役に立てるよう,学びと実践を積み重ねていきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP