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AI時代における人間の価値とは——行政書士としてのワタシの挑戦

甲子園大会が終わり,長かった夏休みもいよいよ終盤を迎えました。お子さんがいらっしゃるご家庭では,宿題の点検に追われている頃かもしれません。ワタシ自身の子供時代を思い返すと,仙台七夕が過ぎたあたりから両親による宿題チェックが始まり,読書感想文や絵日記,自由研究など,あれこれと指示を受けながら片付けていた記憶があります。今になって思えば,あの宿題の成果物は,ほとんど親の作品だったのではないかと感じています。時効ということで,ここで白状いたします。

最近テレビを見ていたら,子供の宿題に関する「AI対策」が先生方の悩みの種になっているという話題が取り上げられていました。読書感想文や自由研究をAIに「丸投げ」すると,それなりのものが出来上がるそうです。先生方は,それがAIによるものかどうかを見抜かなければならず,まさに「先生 vs AI」の仁義なき戦いが繰り広げられているとのこと。一昔前は業者による「宿題代行」が問題になっていましたが,今はAIがその役割を担っているようです。先生方は本当に大変ですね。

でも,この話を聞いて,ワタシはふと「宿題のAI対策って,先生方のとる対策の方向性が少し違っていませんか?」と感じました。大学のレポートでも同様の問題が起きているようで,教育現場全体がAIとの付き合い方に悩んでいるようです。しかし,この場合,AIを排除することは本当に正しいのでしょうか。

これからの社会には,AIは確実に存在し続け,子供たちはそれを使いこなす力を求められます。だからこそ,教育も,子供たちの思考力を伸ばしながらも,その思考力を生かし,将来AIを活用できるようになることを前提に行われるべきです。「AIを使わせない」という発想は,AIを敵視し,現実から目を背けているように思えてなりません。先生方や学者の方々が,自分たちの立場を変えずにAIを悪者扱いしている姿は,少し滑稽にも映ります。この世の中は先生や学者を中心に回っているのではないのです。

そんなことを考えているうちに,「では,ワタシたちの世界はどうなのか?」という問いが浮かびました。行政書士をはじめとする士業の世界も,AIの進化によって淘汰されるのではないかという声が聞こえてきます。ワタシだって高みの見物で,教師を笑っている場合ではないのです。

実際,ワタシも仕事でAIを活用しています。業務の概要や課題,ニーズを入力すれば,AIは瞬時にわかりやすく簡潔な資料を作成してくれます。とても便利で,業務の効率化には欠かせない存在で,優秀な部下を一人雇ったような気分です。

しかし,問題はその先にあります。ワタシは,AIが作成した資料に,さらに人間ならではの付加価値を加え,お客さまに納得いただける成果へと昇華させなければなりません。ここにこそ,専門家の価値というか腕の見せ所だと考えています。

また,行政書士として最も重要なのは,お客さまとのコミュニケーションです。直接お会いし,対話を重ねることで,お客さまのニーズをくみ取り,時にはご本人も気づいていない本質的な課題を見つけ出すことができます。そして,そのニーズを超える成果を提供することこそが,プロフェッショナルとしての使命だとワタシは思っています。

今般改正された行政書士法では,情報通信技術の活用が行政書士の責務として明記されました。これは,AIやICTを積極的に取り入れ,業務の質と効率を高めることが,現代の行政書士に求められているということです。しかし,それは単なる技術導入にとどまるものではありません。人間だからこそできる「気づき」や「寄り添い」を,技術と融合させてこそ,本当の意味での価値が生まれるのです。
「言うは易し,行うは難し」とはよく言ったものですが,ワタシはこれからも,お客さまの期待を超える成果をお届けできるよう,日々精進してまいります。AIが進化する時代だからこそ,人間にしかできない仕事で自身の価値を高めていきたい——それが,ワタシの目指す行政書士の姿です。

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