定年前から始める,人生後半の趣味づくり
「人生百年」と言われる時代です。せっかく長く生きるのなら,最後まで元気で,笑顔で,充実した毎日を送りたいと思っています。とりわけ定年後は,忙しい仕事に追われた日々から解放され,自分の好きなことを思う存分楽しみたいと願う方は多いのではないでしょうか。
「晴耕雨読」という言葉があります。天気の良い日は外で体を動かし,雨の日は家で読書を楽しむ——そんなゆったりとした暮らしに,ワタシも憧れます。
しかし,現実はどうでしょうか。
ゴルフなどのスポーツは費用がかかりますし,常に一緒にプレーしてくれる仲間がいるとは限りません。また,60歳を過ぎてから新しくスポーツを始めようとしても,技術の習得に時間がかかり,途中で挫折してしまう可能性もあります。最近は「リターンライダー」といって,若いころバイクに乗っていた人が再び挑戦する例も見かけますが,60歳を過ぎてから新たに教習所に通うとなると,体力や反射神経の面でハードルが高くなると思います。
結局のところ,
- 高度な技術を伴うスポーツや楽器演奏などは,少なくとも50歳頃から準備し,技術を磨いておくこと。
- 趣味は一つに絞るより,できれば複数持っていたほうが,人生の変化や環境の変動にも柔軟に対応でき,日々が豊かになる。
この二つが大切だと思います。ですから,定年後になって慌てて趣味探しをするのではなく,できれば10年前から,遅くとも5年前には「定年後をどう過ごすか」を考え,その準備を始めることが重要だと思います。
ワタシが私淑する経済評論家・大前研一氏は,定年後の人生を退屈させないためには「8つ以上の趣味」が必要だと説いています。その考え方は,
- 屋外で行う趣味と屋内で行う趣味
- 一人で行う趣味と複数で行う趣味
この二つの軸でマトリクスを作り,分かれた4つの領域にそれぞれ2つの趣味を持つ,というものです。
こうして自分の趣味や,やってみたいことを書き出してみると,バランスの偏りや空白が見えてきます。新しい趣味を選ぶヒントにもなりますし,その中に「発表の場がある趣味」をいくつか加えると,さらに充実します。たとえば楽器演奏や合唱,中高年女性に人気のお稽古事である日本舞踊などがそれにあたります。
ワタシもこの方法で,自分の趣味の棚卸しをしてみようと思っています。明日は,このマトリクスを使って,ワタシ自身の趣味のバランスについて考えてみるつもりです。


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