異常な暑さが続くこの夏，行政書士試験を目指す皆さんは，暑さにも負けず……いえ，それ以上に“アツイ”気持ちで勉強に取り組んでいることと思います。

11月の本試験に向け，残すところ３か月となる８月というのは，そろそろ「総まとめ」を意識し，気持ちが慌ただしくなってくる時期です。初めて挑戦される方は，これからやるべきことの多さに戸惑いを感じているかもしれません。また，再挑戦の方であれば，前回の雪辱を果たすべく，そろそろご自身の現状把握と学習の総仕上げに力を入れている時期ではないでしょうか。

さて，8月のお盆明け頃からは，各大手資格予備校による本番さながらの模擬試験が本格的に始まります。既に受験を検討されている方も多いと思いますし，中には「とても模試まで手が回らない」と感じている方もいるかもしれません。ワタシ自身，はじめて受験したときは，時間的余裕がなく，模試はフォーサイトの通信講座に付属していたものを自宅で一度受けただけでした。しかし，二年目は心機一転，７月以降模試への挑戦を開始し，９月以降の「模試８連戦」を含め，結果として10回模試を受験しました。

毎週模試！8連戦に挑む。 | あいはら行政書士事務所

今振り返ってみて，必ずしも10回も受ける必要はなかったかもしれません。指導者によっては，模試を受験することで，追い込み時期の学習時間が削られるので、「模試は、本試験の雰囲気を経験するために１回受験すれば十分」とおっしゃられる方もいます。ただ，ワタシに限っていえば，模試の連戦は，合格を引き寄せるとても有効な試験対策になりました。でも，模試には受験料や移動時間もかかりますので，無理にたくさん受けることを強く勧めるつもりはありません。それでも，本試験のリハーサルとして，大手資格予備校が主催する模擬試験を最低１回，できれば２回程度受験してみることは間違いなくプラスになるはずです。

模擬試験には大きく分けて二つの目的があります。一つは「自分の現在の実力を知る」という力試しの側面，もう一つは「本番を想定した予行演習」としての側面です。前者については，得意分野と苦手分野を把握するくらいはやっておいた方が良いですが，現時点で模試の得点や順位に一喜一憂する必要はないと思います。ワタシ自身，「記述試験対策」があまり進んでいなかったこともあり，模試で合格点に届かなくてもそれほど気にしませんでした。「今はこれくらいの点が取れれば良し」というくらいの気楽さを持って臨むほうが，無用なプレッシャーにならず良いと思います。

一方で，本試験の予行演習という意味では，模擬試験の経験は本試験で大きくモノを言います。実際の試験と同じ日曜13時開始で，３時間という長丁場を経験することで，普段の問題演習では気づけない自分自身の課題や，試験当日にありがちな予想外の出来事にも備えることができます。これはシミュレーションの意義として非常に大きいと感じています。

模試を受ける際には，ぜひ以下の２点を意識して臨んでいただきたいと思います。

まず第一に，模擬試験は必ず会場で受験することです。可能であれば，できるだけ大都市の会場で受験することをおすすめします。本番に近い緊張感や他の多くの受験生と机を並べる雰囲気は，実際の会場でしか味わうことができません。これは，多少交通費や宿泊費がかかっても絶対にやるべきです。また，自宅受験は，単なる「３時間の問題演習」になってしまい，本番さながらの経験にはなりにくいのでオススメできません。

次に，模試当日は「本試験当日だったらどうするか」を意識して，一日の流れを完全にシミュレーションしてみてください。行政書士試験は，他の資格試験にはあまりない「日曜13時スタート」の３時間一本勝負です。例えば，いつも通り12時に昼食をとってしまうと，試験開始の時間帯に眠気が襲ってくることもあります。起床時間，食事のタイミング，会場までの移動手段など，すべてを本番に合わせて調整してみることで，思いがけない課題が見えてくることもあり，当日のトラブルを未然に防ぐことができます。

さらに試験中の解答順序についても，本番を見据えて工夫してみてください。問題１から順番に解くのか，あるいは集中力の高いうちに記述式問題や文章理解から先に取り組むのか，自分にとって最適な進め方を模試で試行錯誤しておくことが，本試験での安定した得点につながるはずです。

模擬試験を受験する際のその他の工夫や注意点については，以前ブログでも紹介しておりますので是非ご覧ください。

模擬試験受験心得四箇条！ | あいはら行政書士事務所

皆さんの「アツイ」努力が結実し，晴れて合格されることを心よりお祈りしています。