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あの日を忘れていたワタシへのイエローカード

皆さんは,昨日朝,発令された津波警報をどのように受け止め,対応されたでしょうか。ワタシは,あの出来事を通じて,人間の記憶の曖昧さといい加減さ,そして災害への鈍感さについて深く反省させられました。

今朝,10時少し前に携帯電話がけたたましい音を立てて鳴り,「津波警報」が発令されたことを告げました。けれどもワタシは,その警報に対して画面もろくに見ることもなく,「どうせ訓練か誤報でしょ」と他人事のように受け止めていました。なぜなら,事前に地震も感じていなかったし,「これはいつもの訓練なのだろう」と,まるで,イソップ寓話の「オオカミ少年の話」のように,半信半疑で,どこか高をくくってしまったからです。危機感など全くなく,会議に向かうために家を出ました。

仙台駅に着くと,様子がいつもと違うことに気付きました。構内は大混乱,電車はすべて止まっています。「一体何が起きているのだろう」と不安になり,ようやく津波警報が現実のものであることを実感しました。状況を正しく把握せず行動していた自分が恥ずかしく,深く反省せざるをえませんでした。

14年前の東日本大震災を,皆さんも鮮明に覚えていますと思います。震災後に押し寄せた大津波が,多くの命と日常を一瞬で奪いました。あのときも「津波なんて来るはずがない」「家財道具を持ってから逃げよう」と,危機を軽視して逃げ遅れる方が少なくありませんでした。あの悲惨な経験を「絶対に風化させない」と誓ったはずなのに,気付けば記憶をすっかり風化させ,大きな油断をしていた自分がそこにいました。

ワタシの家は標高100メートル近い高台にあり,日常的に津波の心配はありません。しかし,その安心が「津波なんて関係ねぇ!」と逆に危機感の喪失につながっていたと痛感しました。以前,電力会社に勤務していた頃は,ワタシは,災害時にはすぐ会社に駆けつける立場の人間でしたから,人一倍情報に敏感でなければいけませんでした。現役時代は、そのような習慣が嫌になるほど体に染みついていたのに,退職して僅か1年で、日常の危機に対する感受性はすっかり薄れ,今朝は「またいつものこと」と気にも留めず,世の中の混乱に対してすっかり鈍感になってしまった自分に驚き,言いようのない反省の念に駆られました。

今回の津波警報では,幸運にも日本国内では大きな被害はありませんでした。しかし,ロシアの島では甚大な被害が発生し,はるか遠くハワイにも津波の影響が及んだと聞きます。災害は「自分には関係ない」と思った瞬間に命取りになる――これは震災で痛感したはずの鉄則です。

今後,ワタシはどんな災害情報も他人事と思わず,常に情報にアンテナを張り,本当に適切な行動が取れる人間であり続けたいと思いました。あの未曾有の震災から自然災害の恐ろしさと,日々の備えの大切さを再確認し,けっして「忘れる」という人間の弱さに流されないよう心がけていきたいです。

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