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「思い出に残る上司」からの箴言~情報はタダじゃない!何でも聞けば教えてもらえると思うな~

ワタシはこれまでの社会人生活の中で,多く方と一緒に仕事をしてきました。その中で若い人には「わからないことは何でも聞いてね」と声をかけることがよくありました。それは,「経験者に聞いた方が効率的で,みんなが早く仕事に馴染める」と考えてのことです。特に職場における基礎的な知識や手順は,ネットやマニュアルよりも,現場の先輩から直接教えてもらう方が実践的で役に立ちます。そのため,「遠慮しないで何でも聞いていいよ」と繰り返していました。

「質問する前に自分で調べろ!」と言われて | あいはら行政書士事務所

ところが,ワタシが以前お世話になった「思い出に残る上司」からは,それだけでは足りない大切な考え方を教わることになりました。その上司がよく口にしていた箴言に,「情報はタダじゃない。何でも聞けば教えてもらえると思うな」というものがあります。一見,これまでのワタシの姿勢とは矛盾しているように感じるかもしれませんが,実はとても奥深い話です。

思い出に残る上司 | あいはら行政書士事務所

実際,情報には「誰にでも気軽に教えてもらえる情報」と,「あの人になら教えてあげたい」と思ってもらえる情報の二種類があるとワタシは思います。前者は挨拶がわりの知識や手順,後者は仕事を深める上で本当に役立つ裏話や洞察です。今日はこの後者――「あの人だからこそ教えたい情報」について考えてみたいと思います。

ワタシがまだサラリーマンとして,お世話になった会社の福島支店の企画課で働いていた頃のことです。企画課の主な仕事に,支店全体の業務をどのように進めていくか,舵取りをするような仕事がありました。その中で,一番大きな仕事が支店としての各年度の業務実施計画の策定がありました。これは,会社や支店の大きな課題を踏まえ,支店として「かくあるべし」といった,大きな方向性を定めた上で,各部所が持つ個別の計画や意向を調整し,支店全体を同じ方向にまとめるのが主なミッションです。そのためには,各部所の状況や本音,細かな事情まで把握しなければなりません。ただ公式な情報だけでなく,現場の人が何を考え,何を大事にしているのか,そうした“生”の情報も不可欠でした。

ではどうやってそうした本音や生きた情報を引き出すのか。上司が繰り返し教えてくれたのは,「まず自分が相手の役に立つ存在になれ」ということでした。ただ聞くだけではダメで,日々のやりとりのなかで,相手が必要とする情報や支援をこちらからも提供することが重要です。つまり「お互いの信頼と価値の交換」があって初めて,本当に役立つ情報も手に入るというわけです。

考えてみれば,いくら知識や経験が豊富な人でも,見ず知らずの通りすがりにすべてを教えてくれるわけがありません。相手が「この人なら自分も応えたい」と感じて初めて,貴重な話を引き出せます。情報はただもらうのではなく,自分に「渡す価値がある」と思ってもらえる人間になる努力が欠かせません。

ワタシはこの言葉を胸に,社内外問わず「自分がどんな“価値”を提供できるか」を意識してきました。相手が必要とする情報や助けを惜しまず提供し,そのなかで自分が本当に知りたいことも誠実に尋ねる。その繰り返しが強い信頼関係につながり,予想もできなかったような“生の情報”を得るチャンスにも繋がっていったのです。

この姿勢は,今のワタシの仕事にも生きています。自分が情報を集め発信できる存在になれば,「あの人は頼りになる」と周囲から声がかかり,また新しい有用な情報が舞い込んできます。こうした好循環が,さらに仕事の質を高め,自己成長にも役立つのだと実感しています。

これからも,「相手と価値を交換しながら共に高め合う関係」を目指して努力していきたいと思います。「情報はタダじゃない」という「思い出に残る上司」の言葉は,今もワタシのなかに大きな指針として生き続けています。

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