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宝くじは「貧者の税金」なのか?

皆さんは,宝くじを買いますか?

ワタシは,時々買うことがあります。残念ながら「大当たり」を引いたことはありませんが,10年に一度くらい,10万円程度の小金が当たることもあり,ちょっとした運試しとして楽しんでいます(トータルで考えれば、収支は間違いなく「マイナス」だと思います)。

ただし,ワタシが買うのは,いわゆる通常の宝くじ――番号があらかじめ印刷されたジャンボ宝くじなどではなく,自分で数字を選ぶタイプの「ナンバーズ」や「ロト」などの数字選択式宝くじです。なぜかというと,当たったときの「見返り」が明確で,当選金の分配の仕組みにもある程度納得できるからです。ですから一度に100枚も200枚も買ったりはしません。運試しですから、1回に買うのは一口か二口。金額にして500円程度,コーヒー1杯分程度の話です。

統計的に見れば,宝くじというのは非常に分の悪い賭けです。たとえば100円を投じたとして,平均的なリターンはおよそ40円。つまり,期待値としては半分以下の戻りしかありません。結局,必ず得をするのは,胴元である宝くじを販売している側です。ほとんどの人は「買った時点で負けている」と言っても過言ではありません。

ですから,冷めた見方をする人の中には「宝くじは貧者の税金だ」などと言う人もいます。確かにその側面は否定できません。生活にゆとりがない人ほど,「ひょっとしたら当たるかも」という夢にすがってしまう傾向があります。

では,なぜそんなに多くの人が宝くじを買うのでしょうか?

それは,「誰にでも平等に一等のチャンスがある」からこそ,そして「宝くじを買うことで,ささやかな夢を見ることができる」からではないでしょうか。

たとえば,年末ジャンボ宝くじの1等が当たる確率は,なんと2,000万分の1。これは,10キロの米袋を40袋並べて,その中のたった1粒を当てるようなもの。あるいは,東京都と千葉県の全人口の中から,たった一人が選ばれるような確率です。

一方,「ロト6」の1等当選確率は約610万分の1。コレも現実問題としては,なかなかキツいですね。でも,「ナンバーズ4」なら,1等賞金が約100万円で,確率は約1万分の1。これなら少し現実味を感じられるかもしれません。

また,通常の宝くじは,1等に注目が集まりますが,実際には末等の100円や300円等の払い戻しが当選者数としては最も多く,全体の払い戻し金額においてもかなりの割合を占めています。つまり,多くの人がわずかな返金を得ることで「当たった」と思わせ,次回の購入につながっていく仕組みとも言えます。

その点,数字選択式の宝くじは,基本的に1等のみの設定(近年は2等以下もあるものも増えましたが)で,当選者が少ない分,当たればその金額が大きくなります。ワタシが数字選択式にこだわるのは,そうした「リスクに見合ったリターン」が期待できるからです。

宝くじの対極にあるのが,火災保険や自動車保険などの「損害保険」ではないでしょうか。自動車事故や火災に遭遇する確率は非常に低いですが,一度それが起きれば,人生を揺るがすような大損害になることもあります。いわば「人生の破滅」を回避するために,人は保険料を支払って備えるわけです。

宝くじは,まさにその「逆の仕組み」とも言えます。ほとんど可能性はないけれど,当たれば人生が変わる。「人生が破綻しないように備える保険」と,「人生が激変するかもしれない夢にかける宝くじ」。両者は,表と裏のような存在かもしれません。

確かに,宝くじは冷静に考えれば「損をする仕組み」かもしれません。でも,ワタシはこう思うのです。「ほとんど見込みはないけれど,もし当たったら……」という非日常の想像をする時間,それ自体が小さな楽しみなのだと。

ですからワタシは,無理のない範囲で,数字を選びながら夢を見る。そんな宝くじとのつきあい方を,これからも続けていこうと思っています。

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