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伊東市長の学歴詐称疑惑について考える

ワタシは,2025年5月の伊東市長選挙で現職を破り初当選した田久保眞紀市長の「学歴詐称」疑惑について,連日報道を目にしながら,さまざまなことを考えました。事実関係については報道が尽くされていますので,ここではワタシ自身の考えや感じたことを中心に綴りたいと思います。

本来,政治家に求められるのは,多くの市民から信頼され,支持される資質や実行力であり,学歴そのものは決定的な要素ではないとワタシは考えています。しかし,選挙という場面では,少しでも自分を良く見せたいという気持ちが働き,つい経歴を「盛って」しまう誘惑に駆られるのかもしれません。その姿勢には,どこかもの悲しさを感じざるを得ません。

今回の経緯を振り返ると,田久保市長は当初「東洋大学法学部卒業」と公表していましたが,実際には「除籍」であったことが判明しました。市議会の議長や副議長に「卒業証書らしきもの」を示したものの,複写を認めず,後に「卒業証書は偽物だった」と指摘されています。市長の説明は一貫性を欠き,市民や市議会からの信頼を大きく損なう結果となっています。

俳優の三田村邦彦さんが「自分が大学を卒業したかどうか知らないとは考えられない。全てが言い訳に聞こえる」「百歩譲って卒業したと思っていたら…そんなズボラな性格の人に市政を任せられるわけがない!」とコメントしていましたが,ワタシもまさにその通りだと感じました。市政を担う立場の人間には,誠実さと説明責任が不可欠です。

ここで,ワタシから「○×クイズ」です。

問題:話は脱線しますが,もし田久保市長が「東大卒」を詐称し,東京大学の卒業証書を偽造して関係者に示した場合,東洋大学の卒業証書を偽造した時より罪は重くなるでしょうか?

答えは「○」です。

私立大学である東洋大学の卒業証書は「有印私文書」に該当し,有印私文書偽造罪(刑法159条)の対象となります。法定刑は「3か月以上5年以下の懲役」です。

一方で,国立大学である東京大学の卒業証書は「有印公文書」に該当し,有印公文書偽造罪(刑法155条)の対象となります。法定刑は「1年以上10年以下の懲役」と,より重い刑罰が科されます。

これは,公文書の方が社会的信用が高く,偽造による社会的影響も大きいため,刑罰が重く設定されているからです。

偽造対象適用される罪名法定刑
国立大学卒業証書有印公文書偽造罪1年以上10年以下の懲役
私立大学卒業証書有印私文書偽造罪3か月以上5年以下の懲役

したがって,東京大学の卒業証書を偽造した場合の方が,東洋大学の卒業証書を偽造した場合よりも,明確に罪が重くなります。

おわりに

今回の一連の騒動を通じて,ワタシは「誠実さ」の大切さを改めて痛感しました。市長の進退や市政の行方については,今後も注視していきたいと思います。学歴や肩書きよりも,正直で信頼されるリーダーが求められているのだと,ワタシは強く感じています。

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