愛用の鞄
ワタシは,日々の仕事に「ダレスバッグ」を愛用しています。このバッグとの出会いは,今から約20年前。仙台市内の鞄屋さんのバーゲンセールで,少し傷のある堅牢な牛革製のダレスバッグを見つけたときでした。定価5万円のところ,半額の2万5千円で購入できました。この鞄は、いわゆる「定番商品」で,今も同じ品が売られていますが,当時よりは大分値段が上がっているようです。
このバッグは,まず,見た目がとても高級感があります。ずっしりとしたスタイルで,しっかりとした作りなのに,思いのほか軽くて驚きました。床に置いても自立し,たくさんのものを入れられる機能的な鞄です。ワタシは早速翌日から使い始めましたが,数日後,お客さまを訪問する際に持っていったところ,先方の部長さんから「相原君,すごい鞄だな。まるで社長さんみたいだね」と言われてしまいました。部長の言葉に悪意はなかったと思いますが,その言葉を聞いて,「この鞄は自分のような若造には分不相応に見えるのかな」と感じ,それからは使うのを躊躇するようになってしまいました。それから長い月日が流れていきました。
時が過ぎ,ワタシは60歳で会社を退職し,行政書士として独立しました。その時,「今なら年齢的にも年相応で,浮いた感じもしないだろう」と思い,久しぶりにこのバッグを使い始めました。使ってみると,このダレスバッグは行政書士のような仕事に最適だと感じました。まず,底の幅が広いので床に置いた時に自立してくれ,外出先やお客さまの事務所で話をする際にとても便利です。また,上の蓋がきれいに開くので,まるでボックスファイルを持ち歩いているような感覚です。
行政書士の仕事ではA4サイズの書類を持ち歩くことが多いですが,このバッグは書類を横にすれば大量に入ります。さらに,パソコンやメモ帳,ペンケース,マイボトルなどもきれいに収納でき,すぐに取り出すことができます。たくさんのものを入れると少し重くなりますが,鞄自体の重さはさほど気になりません。仕事の移動の大半は車なので,重さの負担もほとんど感じません。新しい仕事の相棒として,毎日大活躍してくれています。
毎日使っていると,当然ながらバッグの表面に傷がついたり,色が変化したりします。しかし,ワタシはその傷さえも「使いこなしている証」と感じ,かえって愛情がわいてきます。これからも,このバッグと一緒に仕事を続けていきたいと思っています。まさに,ワタシにとって仕事の良き相棒であり,人生を共に歩む逸品です。
