最新情報NEWS

「ひよこ狩り」には気をつけろ

「ひよこ狩り」という言葉を聞いたことはありますか?

ワタシが初めてこの言葉を知ったのは,行政書士の資格を取得したばかりのころでした。みなさんにはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが,いわゆる「士業」の世界では,資格を取ったばかりの新人,つまり「ひよこ」のような資格者を狙うビジネスが存在すると言われています。

「ひよこ狩り」とは,簡単に言えば,資格を取ったばかりの「ひよこ」に,セミナーや仕事の紹介を持ちかけ,多額のお金(10万円から40万円程度が多い)を支払わせる商法です。

行政書士の場合,特に狙われやすいのが「国際業務」や「相続関連業務」といった分野です。これらは比較的参入しやすく,需要もあるため,新人行政書士にとっても魅力的に見える分野です。そのため,「国際業務の顧客獲得法を教えます」とか,「登録すれば相続の案件を定期的に紹介します」といった誘いが多数あります。

ワタシにも,こういった勧誘はこれまでに何度も届いています。中には「会社の福利厚生の一環として,社員の相続業務を行政書士に斡旋しています」というような話もありました。一見すると信頼できそうな話にも聞こえますが,実際に話を聞いてみると,「登録料を支払っても報酬の保証は一切ない」とか,「案件数もその時次第」といった,かなり曖昧な内容だったりします。こちらの質問に対してもはぐらかされるような印象を受けたこともあり,ワタシとしては正直,あまり誠実なビジネスとは思えませんでした。

もちろん,すべてのセミナーや紹介ビジネスが悪質とは限りませんし,内容や運営によっては有益なものもあるかもしれません。ただ,少なくともワタシが経験した範囲では,「本当に価値があるのか」「その対価に見合う成果が得られるのか」という疑問が残るものが多かったのです。

試験に合格し,ようやく独立を果たしたとき,ワタシは大きな希望を抱いていました。しかし,それと同じくらい,不安もたくさんありました。収入の見通しが立たないこと,顧客がつかないこと,そもそもこの選択が正しかったのかどうか……そんな不安につけこむかのように,ネット上には「行政書士は稼げない」「このままでは廃業」といった不安をあおるような情報があふれています。そうした情報を見ているうちに,藁にもすがるような気持ちで「ひよこ狩り」に引き寄せられてしまう人もいるかもしれません。

しかし,ワタシはそういった手段には頼らないと決めています。確かに時間はかかるかもしれませんが,コツコツと実績を積み重ね,誠実に仕事をこなし,少しずつでも信頼を得ていく道を選びたいと思います。信頼はお金では買えません。地道に築き上げていくものであり,そうして得た信頼は,何よりも強固で揺るがないものだと信じています。

「ひよこ狩り」の誘惑に負けず,自分の力で道を切り開いていく。まだまだスタート地点に立ったばかりのワタシですが,そんな思いを胸に,今日も一歩ずつ前に進んでいきたいと思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP