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「エスカレーター片側通行」という謎ルールについて

いつからか,日本の多くの場所で「エスカレーターでは急いでいる人のために片側を空けて立つ」という習慣が定着してしまいました。地域によって,右側を空けるのか左側を空けるのかは異なりますが,いずれにせよ「急ぐ人のために片側を空けるべきだ」という空気が支配的です。

そもそも,エスカレーターはベルトをしっかり握り,立ち止まって乗るのが正しい利用方法です。歩くこと自体がルール違反であり,立ち止まっている人にぶつかる危険性も高まります。実際,日本各地でエスカレーター上のトラブルや事故が発生しているのは,片側を空けて歩く人がいるからです。エスカレーターは本来,静かに立ち止まって利用するための乗り物であり,ほとんどの人がそのルールを守っています。

それにもかかわらず,ほんの一部の急いでいる人のために,なぜ片側を空けなければならないのでしょうか。たとえば,電車のホームから上がるエスカレーターでは,片側を空けるために長い行列ができてしまうことがあります。もし両側に立って乗れば,倍の人数が同時に利用でき,混雑も緩和されるはずです。このように,片側を空けることは輸送効率の面でもまったく理にかなっていません。

さらに,エスカレーターを管理する事業者も「エスカレーターは立ち止まって利用してください」と呼びかけています。片側に人が集中すると,機械の片側だけに負荷がかかり,設備の摩耗が進んでしまいます。これはエスカレーターの寿命を縮め,故障や事故のリスクを高めるだけです。利用者の安全と機器の保護,どちらの観点からも「片側空ける」ルールはすぐにやめるべきだとワタシは思います。

ワタシがいつも利用している仙台市地下鉄では,「エスカレーターは立ち止まって利用する」ことを呼びかけるキャンペーンが行われています。駅のエスカレーター付近には「二人乗車」や「立ち止まって」と書かれたポスターが貼られ,その本気度が伝わってきます。最近ではこの取り組みが定着し,歩く人が明らかに減ったように感じます。仙台市交通局は本当に良い仕事をしていると思います。

ワタシは,このような動きが日本全国に広がり,誰もが安全に,そして効率よくエスカレーターを利用できる社会になることを心から願っています。「片側空ける」ルールは合理性もなく,危険で,機器にも悪い――すぐにでも見直すべき習慣だと強く訴えたいです。

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