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丸森のタケノコ

春はタケノコの季節です。仙台でも,最初は九州産のものが並び,徐々に産地が北上していきます。

私はタケノコが大好きで,春になると若竹煮や天ぷら,タケノコご飯などで「春の恵み」を楽しんでいます。

宮城県では福島県との県境に位置する丸森町が,タケノコの名産地として知られています。東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で,一時は丸森町のタケノコも出荷できない時期がありました。しかし,現在はその影響もなくなり,地元の美味しいタケノコを安心して食べられるようになっています。とはいえ,風評被害を防ぐため,地元ではすべてのタケノコに厳しい検査を行い,安全を確認した上で出荷しているそうです。

先日,借りていた車を楽しむ意味もあり,ドライブがてら丸森町までタケノコを買いに行きました。地元の販売所には多くのタケノコが並び,大勢の人で賑わっていました。産直価格で「安いな」とは思いましたが,それ以上に驚いたのは,その新鮮さでした。

スーパー等で売られているタケノコは,段ボール箱に詰められ,収穫から時間が経って切り口が乾燥しているものが多いですが,ここの販売所のタケノコは皮が瑞々しく黒光りしていました。さらに,一つ一つ丁寧にラップで包まれており,生産者の「美味しいタケノコを食べてほしい!」という心意気が伝わってくるようでした。

持ち帰ったタケノコは,鮮度が落ちないうちに米ぬかと唐辛子でアク抜きをし,若竹煮,鶏肉との煮物,天ぷらなどにしていただきました。特に驚いたのは,その甘みと柔らかさです。根元の部分までしっとりとした食感で,美味しく食べることができました。

さらに,バターでさっとソテーして黒こしょうをかけたら絶品でした。タケノコの上品な甘みとバターが絡み,口の中に香りが広がります。タケノコは鮮度が命なのですね。「これまで食べてきたタケノコと,新鮮な地元のタケノコは全然違う」と実感しました。

京都では「春はタケノコ,夏はハモ,秋は松茸,冬はフグ」と言われるそうです。これまで,なぜタケノコが高価な松茸やフグと互して季節の味覚の主役を張れるのか不思議でした。しかし,採れたての新鮮なタケノコを食べてみて,その価値を実感しました。

これまで,タケノコの鮮度を気にせず購入していたことを後悔し,「これからは毎年タケノコの季節に丸森に行こう!」と強く思いました。人生の新たな楽しみが一つ増えたように感じます。

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