金の卵を産むニワトリを殺すな
ワタシは,東北電力でで35年間の会社生活の大半を,火力発電所で使用する化石燃料を調達・管理する仕事をしてきました。学生時代からエネルギーに関心があり,就職活動では石油元売りや電力会社を希望し,東北電力に入社したので,入社した時からずっと燃料の仕事を希望していました。ですから,入社5年目に,希望していた「燃料部」への異動辞令を受けたときは,本当にうれしかったです。
張り切って着任した初日,部長室に挨拶に入ると,部長が「相原君,いらっしゃい,そこに座って」と言われ,最初に部長から賜った言葉が「金の卵を産むニワトリを殺すな」でした。部長がおっしゃるには,①これから,君には燃料部で石油や石炭,LNGを調達する仕事をやってもらう。②言うまでもなく,我々の目的は発電所で使う良質の燃料を経済的な価格で調達することだ。③ただし,間違えてはいけないのは「安ければ良い」ということではない。④モノには「適正価格」というものがある。⑤我々に燃料を売ってくれるサプライヤーとは,お互いにメリットのある取引をして,共存共栄してゆかねばばならない。⑥経済性だけを追求し,取引相手を絞りつくし,結果的に潰してしまうような,いわば「金の卵を産むニワトリ」を殺すような愚かなことは絶対にしてはならない。ということでした。
部長のお話は,イソップ寓話の「農夫が『金の卵を産むガチョウ』のお腹を割いて殺してしまった話」を例におっしゃられたものだと思いますが,昨今の社会を俯瞰すると,長期的な視点を持たず、目先の自己の利益のみに拘泥し,せっかく目の前にいる大切な「金の卵を産むニワトリ」を殺してしまうような愚かな話が多く,改めて,この言葉の重みと大切さを感じています。
ワタシのHPの「ご挨拶」にも書かせていただいていることですが,東北電力の社是である「東北の繁栄なくして,当社の発展なし」という言葉はワタシが地元で行政書士事務所を開業するにあたってベースとなる考え方であり,ワタシは,地域の皆様の目線に立ち,「地元のかかりつけ医」のような行政書士として,頑張ってゆきます。

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