元サラ行政書士の強みとは何か?(前編)
サラリーマンだったワタシが行政書士登録をしてから1年がたちました。
これまでとは異なる世界で,仕事をし,多くの方と知り合うことができました。
行政書士の世界は,年齢も,バックグラウンドも全く異なる様々な方がいらっしゃいます。法律事務所などに勤務され,諸法令に精通されている方,長く,行政機関に勤務され,法令と行政手続きに精通されている方,税理士や宅建の資格をお持ちで,その分野での業務に精通された上で、新たに行政書士を始められた方など、様々なバックグラウンドをお持ちの方がおり,それぞれに独自の強みを発揮し,活躍しています。
そういう皆さんが多い中,ワタシは,これまで,行政書士のお仕事とは無縁のサラリーマンでした。コネも,後ろ盾も,競争優位性のある知識や技能もなく,まさに「徒手空拳」でこの世界に飛び込みました。ですから,そのような独自の強みをもつ,プロフェッショナルな知見をお持ちの行政書士の方がうらやましくて仕方がありません。もちろん,これは,登録する前からわかっていたことではありますが,「オレって、ちょっと不利じゃね?」と思うようになりました。しかし,それでも登録し,行政書士としセカンドキャリアを生きてゆこうと決めた以上,なんとかやってゆかねばなりません。そこで,「元サラ行政書士」であるワタシには,どんな強みがあるのかを少し考えてみました。あれこれ,考えた結果,元サラリーマンの技能として「コレは強みと言えるのでは!」と思えるものが3つあることがわかりました。
其の壱 お客さまと良好なコミュニケーションがとれること
35年間のサラリーマン時代,様々なビジネスシーンを経験してきました。新入社員として入社し、始めに配属されたのは「お客さまセンター」という一般のお客さまからの様々なお申し込み(電気の使用開始,廃止,アンペア変更など)を受付する部所でした。そこは、その他にも,お客さまからの要望や苦情を受け付けるいわば、電力会社の「何でも屋」みたいな所で、毎日お客さまに怒鳴られていました(職場では「電話取り」と言われていました)。また,後に一般の企業に対し,電気以外で販売していた自社の商品(LNGや天然ガス)を販売する営業の仕事も経験しましたし、火力発電所で使用する,石炭、石油、LNGなどを国内外の企業と交渉し購入する仕事をしていたこともあります。売り手も買い手も,「その世界のプロフェッショナル」という,いわゆるBtoBの厳しい交渉を行ってきた経験,特に欧米,中国,韓国,ロシア,中東の方々など,カルチャーや社会システムが大きく異なる外国人と交渉を行った経験というのは,現在,様々な局面での協議,調整,交渉といった場面で非常に役に立っています。
このような経験を通じ,先方のニーズを把握し,それに応じた提案をすることや,ご不満をお持ちのお客さま、苦情を言われるお客さまの話を伺い,こちらの事情を丁寧に説明し,理解をいただくこといった技術を身につけることができました。特に重要なのは「傾聴」の技術です。自身とは利害が相反する方の話を聞き,怒りや誤解を解き,解決点を見つけ,わかりやすく説明し、理解いただくという技術は,サラリーマン生活の中で身につけることができた貴重な財産にだと思います。
「元サラ行政書士」としては,お客さまとの面談を通じて,お客さまのお立場,ニーズを踏まえた,提案ができるという強みを活かして参りたいと考えています。
(後編に続く)

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