大嫌いだった単身赴任
ワタシはサラリーマン時代に,二度の単身赴任を経験しました。
1回目は2010年から2012年までの3年間,秋田県能代市に,2回目の単身赴任は2021年から2023年までの3年間,今度は,秋田市に単身赴任しました。
単身赴任については,人によっていろいろな意見があると思いますが,ワタシは嫌で嫌で仕方がありませんでした。そもそも一つの家族が分かれて暮らすというのは非常に不自然な家族形態で,生活が精神的にも経済的にも不安定になってしまいます。また,生活が非効率になるので余計な支出も増えます。それに,休日に家に戻っても,あまり寛げず,心が休まりません(帰宅した瞬間から帰路のことが頭をよぎり,つらい気持ちになります)。この「単身赴任」というのは日本以外には例がない,日本独特の制度らしいですが,家族の絆の大切さを考えない,本当に異常でいびつな制度だと思っています。「心が病んでしまうのでは」と思ったのも一度や二度ではありませんでした。写真は,ワタシが単身赴任時代,アパートのドアに貼っていたホワイトボードですが,金曜日に家に帰り犬と遊ぶことだけを心の支えに頑張っていました。
会社としては「単身赴任手当(=迷惑料)を払ってるんだから,文句ねぇだろ!」というスタンスなのでしょうが,こちらとしては「単身赴任手当なんて要らないから,家で家族と一緒に暮らせるようにしてくれよ!」「会社に個々の家庭を破壊する権利なんてないだろ!」といつも思っていました。ワタシは秋田県で二度,計6年間,単身赴任をしましたが、秋田というのは食べ物が美味しいし,一緒に仕事をした方々も一部を除けば非常に良い人達で,そういう部分では不満はなかったのですが,長くて寒い,雪に閉ざされる冬だけは,本当に辟易して,一人ぼっちでいると,気分が暗くなり,本当につらかったです。特に二度目の単身赴任となった秋田市の社宅は狭く,設備も貧弱で一秒たりともいたくないような劣悪な環境で,部屋にいるだけでストレスがたまり,病気になりそうでした。
しかし,コロナで日本中が大混乱しているときに,秋田に単身赴任したことで,受験勉強をする気になり,定年後に大きく道が開けたので,功罪相半ばというか,秋田に単身赴任させられた運命には感謝しています(ワタシに秋田転勤の辞令を出した人のことは,今でも恨んでいます)。

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