終身雇用というものと,自分に訪れた転機
私は,長年サラリーマンとして生きてきました,現在,次第に崩れつつあるとはいえ,日本のサラリーマンというのは「終身雇用」制度のもとで働いています。この「終身雇用」制度というのは本当にありがたい制度で,一度組織に雇われてしまえば,よほど悪いことをしない限りは,ずっとその組織の一員でいられ,個々人の能力の差により,出世する人としない人が出てくるということはありますが,毎月,決まった日に,決まった額のお給料がいただけるという制度です。組織があり,上司がおり,同僚がいるという中,みんなで協力して働くわけですから,組織の中には「イヤな人」「合わない人」もいるでしょうが,多少,嫌な思いをすることくらいはあるかもしれませんが,合わない人に嫌われたからといってクビになることもありません。少しの間我慢していれば,どちらかが異動になって,とりあえず人間関係は終了することもあるというなかなか便利な仕組みです。
かくいう私もそれなりに大きな会社で,終身雇用の居心地の良さにどっぷりとはまっていたサラリーマンでした。2年に1度くらい異動し,結婚,マイカー,マイホームの購入といった自分のライフステージに困らない程度のお給料をいただき,適度に昇進するという暮らしは,安定していて本当に幸せなものだと思います。それでもサラリーマン時代は,「今の仕事は俺には合わない」とか「あの課長は嫌いだ」とか、自分のことは棚に上げ、ずいぶんと好き放題言っていたように思います(ここには書けないような生意気でひどいこともずいぶんと言っていたように思います)。それでも,「会社を辞めよう」と思ったことなどないし(「会社を辞めたい」と思ったことはたくさんありました),おそらくこのまま,ずっとサラリーマンを続けていくのだろうなぁと思っていました。そんな私に人生の転機が訪れたのは,日本中で大騒ぎになったコロナウイルス感染症の感染拡大という事件でした。

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