最新情報NEWS

クジラの刺身と「日本の決断」

昨日の夜,ワタシはクジラの刺身を食べました。

 ワタシは昔からクジラが好きです。子どもの頃は缶詰の大和煮が大好物でしたし,大人になってからは刺身の美味しさにも目覚めました。特に最近は,近海で水揚げされた冷凍していない生のクジラが,普通に店頭に並ぶようになりました。これは本当にありがたいことです。

 以前の冷凍クジラは,正直なところ独特の匂いもあり,好みが分かれる食べ物でした。ワタシの妻も,昔はあまり箸を伸ばさなかったのですが,最近の新鮮な生クジラは別格のようです。時にはワタシと「最後の一切れ」を巡って奪い合いになることすらあります。

 こうして新鮮なクジラを食べられるようになった背景には,日本が2019年6月30日をもって国際捕鯨委員会である 国際捕鯨委員会(IWC)を脱退したことが大きく関係しています。

 日本は1951年にIWCへ加盟しましたが,その後,世界的に反捕鯨の流れが強まっていきました。もちろん,過去に世界各国がクジラを乱獲し,資源を大きく減少させた歴史があることは事実です。その反省から資源保護が重視されるようになったのも理解できます。

 しかし,議論が進むにつれ,「クジラは知能が高い動物だから食べるべきではない」という欧米の価値観や感情論が前面に出る場面も増えていきました。一方,日本は,「科学的根拠に基づく資源管理のもとであれば,持続的利用は可能である」という立場を取り続けてきました。

 日本では縄文時代から捕鯨が行われていたことが遺跡などからも確認されており,クジラは長い間,日本の食文化の一部として存在してきました。戦後には貴重なタンパク源として多くの家庭の食卓を支えた歴史もあります。

 その後,日本は長らく「調査捕鯨」という形で活動を続けてきましたが,最終的にIWCとの溝は埋まらず,脱退という判断に至りました。そして脱退後の2019年7月1日から,日本は自国の領海および排他的経済水域内に限定した上で,ミンククジラやニタリクジラ,イワシクジラなど,資源量が十分と評価されている種類に限って商業捕鯨を再開しています。

 つまり,「好き放題に捕る」のではなく,「科学的に管理しながら利用する」という考え方です。実際,現在の商業捕鯨は厳格な頭数管理のもとで行われており,乱獲を前提としたものではありません。

 ワタシは,この一連の日本政府の判断は,国益という観点からも,また生物資源の持続的利用という観点からも,十分合理性があったのではないかと思っています。

 日本はしばしば,「世界に対して自己主張が弱い」と言われます。もちろん国際協調は大切ですが,同時に,自国の文化や立場について,科学的根拠を示しながら毅然と説明することも必要です。そういう意味では,当時の対応は,日本として筋の通った判断だったのではないでしょうか。

 先日見たテレビ番組でも,「現在のクジラは科学的管理のもとで捕獲されており,消費国も限られるため価格が比較的安定している食材だ」と紹介されていました。実際,最近は以前よりも手頃に美味しいクジラを楽しめるようになった気がします。

 クジラというと,「昔の給食の食べ物」というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし,今の新鮮な生クジラは,ワタシが子どもの頃に食べていたものとは別物と言ってよいほど美味しくなっています。

 もちろん,好みは人それぞれです。ただ,日本に昔から根付いてきた食文化の一つとして,「ちょっと食べてみようかな」と試してみる価値は十分あると思います。

皆さんも,新鮮なクジラの刺身,いかがですか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP