成人の日に思うこと 〜悔いのない挑戦、その原点〜
今日,1月12日は成人の日です。三連休の中で,各地で晴れやかな式典が行われているのだろうなと想像しながら,ワタシは少しだけ昔のことを思い出していました。成人年齢は18歳に引き下げられましたが,多くの自治体では今も20歳を対象に式典が行われていますし,仙台市でも名称を「はたちの集い」として開催しています。やはり「はたち」という区切りは,今でも特別な意味を持ち続けているのだと感じます。
ワタシが成人を迎えたのは,今から41年前,昭和59年のことです。ただ,ワタシには成人式のスーツ姿や記念写真といった思い出はありません。なぜなら,成人式には出席しなかったからです。といっても,何かに反発していたわけでも,斜に構えていたわけでもありません。当時のワタシは,20歳になっても大学生になれず,予備校で受験勉強に励む浪人生でした。高校時代はクラブ活動と趣味にのめり込み,勉強は正直「もう一つ」だった結果,地元の予備校で浪人生活を送ることになったのです。
1年目の浪人の末,滑り止めの大学には合格したものの,本命の国立大学には届きませんでした。周囲からは「合格した大学に進めばいい」と勧められましたが,ワタシはどうしてもその国立大学を諦められず,もう1年浪人する道を選びました。二度目の浪人生活の冬,成人の日の翌週には共通一次試験(今の大学入学共通テスト)が控えており,その日も朝から予備校の自習室で勉強していました。
昼休みに学生食堂でカレーライスを食べたあと,「少しだけ息抜きをしよう」と外に出て,近所の電気屋さんの店先に並んだテレビを何気なく眺めました。そこに映っていたのが,ラグビー日本選手権「新日鉄釜石対同志社大学」の試合でした。日本選手権6連覇中の新日鉄釜石,「北の鉄人」と呼ばれたチームの試合であり,「日本ラグビー史上最高のスタンドオフ」と評された松尾雄治さんの引退試合でもありました。画面越しに伝わる激しさと気迫に引き込まれ,ワタシはしばらくその場から動けませんでした。
試合は大熱戦の末,新日鉄釜石が見事に勝利し,7連覇という偉業を達成しました。選手たちが何度倒されても立ち上がり,最後まであきらめずに戦い抜く姿を見ているうちに,ワタシの中にも不思議な力が湧いてきました。「自分も,今できることを全力でやろう」そう心の中でつぶやき,ワタシは再び自習室に戻りました。あの日一日を通して,成人式には出ていないのに,「大人としての覚悟」を自分なりに確かめたような気がしています。
結果として,もう1年浪人してまで目指した国立大学には合格できず,ワタシは私立大学へ進学しました。結果だけ見れば「失敗」かもしれませんが,その年の受験勉強について,ワタシには不思議と悔いがありません。「やりきった」と胸を張って言える時間を過ごせたからです。「やらない後悔はするな」という言葉がありますが,まさにその通りで,全力で挑戦したからこそ,違う道でも前を向いて進むことができました。
行政書士として仕事をしていると,起業,許認可,相続,事業承継など,人生の大きな節目に立つ方々と向き合う機会がたくさんあります。その一つひとつが,その方にとっての「勝負の年」であり,「やりきった」と言えるかどうかが問われる瞬間なのだと思います。浪人時代に経験した「悔いのない挑戦」は,今のワタシの仕事の姿勢にもつながっています。新しいことに挑戦したいと思ったとき,「もう歳だから」とあきらめるのではなく,「やってみたい」という気持ちを大切にしたいのです。
新しいことを始めるのに,年齢は関係ありません。むしろ,これまでの経験があるからこそできる挑戦もあります。挑戦しようと一歩を踏み出そうとしている方の背中を,ワタシは行政書士としてそっと押していきたいと考えています。成人の日に,あの電気屋の店先でラグビーの試合を見つめていた20歳のワタシを思い出しながら,「これからも悔いのない挑戦を続けていこう」と,あらためて心に刻んだ一日でした。

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