雨のキャンパスに立つ若者たちへ――二浪の記憶と,行政書士としてのワタシ
昨日,2月25日は国公立大学の前期日程入試の日でした。仙台では,やはり地元の東北大学が大きな注目を集めます。仙台駅前では応援団が受験生にエールを送り,雨空の下,試験会場へ向かう受験生の姿が報道されていました。その緊張と決意が入り混じった表情を見ながら,ワタシは遠い昔の自分を思い出していました。
ワタシの実家は東北大学の学生寮のすぐ近くにありました。子どもの頃,その寮はワタシたちの遊び場でした。卓球をしたり,部屋でマンガを見せてもらったり,寮のお兄さんたちに可愛がってもらった思い出があります。友人の中には東北大学へ進学した者もおり,ワタシ自身はその道を歩むことはありませんでしたが,今でも親しみを感じる大学です。
いまは入試制度も多様化していますが,ワタシが受験生だった40年以上前は事情が違いました。国公立大学を受験するには,当時の「共通一次試験」が必須で,丸2日かけて行う,5教科7科目,1000点満点というハードな試験でした。英数国が各200点,理科と社会が各100点×2科目という配点で,前期日程や後期日程もなく,まさに「志望校は一校のみ」「試験は一発勝負」の時代でした。
田舎町だったワタシの周囲には強い国立大学志向があり,ワタシも国立大学を目指しました。しかし高校時代は勉強よりも陸上競技とクイズに熱中し,当然のように浪人生活を送ることになりました。一浪しても第一志望の国立大学は不合格。滑り止めの私立大学には合格したのですが,どうしても第一志望の国立大学が諦めきれず,「もう一年だけ挑戦させてほしい」と親に頼み込みました。そして,二浪が決まったとき,母に泣かれたことは今も忘れられません。その涙に自分のこれまでを深く反省し,本気で勉強に向き合いましたが,結果は不合格。最終的に第二希望の私立大学へ進学しました。
残念な結果にはなりましたが,後悔はありませんでした。二浪目は「やり切った」という実感があったからです。進学先では良き友人に恵まれ,希望していた会社にも就職できました。振り返れば「浪人二年目」は,自分と向き合い,将来への基礎を築いた時間でした。
昨日は,テレビ越しに受験生の姿を見ながら,「みんな頑張ってね」と心の中で声をかけました。そして結果がどうであれ,これまで積み重ねてきた努力を活かし,今後の人生を歩んでいってほしいと思いました。
いまワタシは行政書士として働いています。独立開業を目指す方,在留資格の変更を考える外国人の方,相続や遺言に向き合うご家族など,多くの方が人生の岐路に立っています。制度を読み解き,道筋を示し,準備を整え,結果を待つ。どこか受験にも通じます。許可通知が届いたときのお客さまの笑顔を見れるよう,ワタシは日々,挑戦を支えています。
浪人時代に学んだのは,努力の尊さだけではありません。真剣に取り組んだ時間は,人を強くし,次の道を切り開く力になるということです。だからこそワタシは,依頼者の方が人生の次の一歩を踏み出すとき,法の専門家として丁寧に伴走していきたいと考えています。
雨の中で試験に向かった若者たちが,それぞれの春を迎えることを願いながら,ワタシもまた,誰かの人生の「本試験」に寄り添い続けたいと思います。

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