楽しむ覚悟 ― ミラノ・コルティナで見た,本当のオリンピック
現在開催中のミラノ・コルティナオリンピック。テレビでは連日のように熱戦が報じられ,日本人選手の活躍に胸を躍らせています。スノーボードの男女ビッグエアでの金メダルをはじめ,フィギュアスケート団体,スピードスケート,ジャンプ競技など,次々ともたらされる朗報に,ワタシもワクワクしながら観戦しています。
かつては「期待されながら本番で実力を発揮できない」と言われることも少なくなかった日本の五輪選手達。しかし今の若い選手たちは,世界の大舞台でのびのびと戦い,堂々と結果を出しています。本当にたくましく,頼もしく感じます。この大会でも,まだまだ日本選手の活躍が見られるのだろうと思うと,ワクワクが止まりません。
もっとも,最近のオリンピックは夏冬ともに新種目が増え,正直に申し上げてワタシにはよく分からない競技もあります。今回,男女ともに金メダルを獲得した「ビッグエア」もその一つです。どの演技も確かに「スゴイ」と感じるのですが,「何がどう違うのか」「どこで差がつくのか」は素人目にはなかなか判別がつきません。それでも,空高く舞い上がる姿には,理屈を超えた迫力と美しさがあります。
なかでも印象に残ったのは,女子ビッグエアで村瀬選手が金メダルを決めた直後の光景です。共に戦ったライバルたちが自然に歩み寄り,互いを称え合い,笑顔で抱き合う姿が映し出されました。戦うときは真剣勝負。しかし競技が終われば,同じ舞台を共有した仲間として祝福し合う。その姿を見て,ワタシは「これこそオリンピックを『楽しむ』ということだ」と強く感じました。
世界を転戦する中で顔見知りとなり,友情を育んできた若者たち。勝敗を超えて互いをリスペクトする姿は,本当に美しく,心を揺さぶられるものでした。
思い出すのは,かつて日本で,壮行会の場で「オリンピックを楽しんでくる」と発言し,物議を醸した選手がいたことです。当時は“メダル,メダル”と報道が過熱し,オリンピックは「決戦の場」「国の威信をかけた戦い」という空気が色濃くありました。結果が伴わなかったこともあり,その発言は厳しく批判されました。
しかし,あれから時代は変わりました。今のオリンピックは,国民の期待を背負う舞台であると同時に,選手自身が最高のパフォーマンスを発揮する場でもあります。プレッシャーに押しつぶされるのではなく,舞台そのものを楽しみ,その中で力を出し切る。その姿勢が,結果にもつながっているのではないでしょうか。
「楽しむ」とは,軽いことではありません。極限まで努力を積み重ねた者だけが到達できる境地なのだと思います。だからこそ,あの祝福のシーンは尊く,美しかったのです。
行政書士として独立したワタシにとっての競技の舞台は,日々の行政書士としてのお仕事です。サラリーマン時代も社会的に意義のある仕事をさせていただき,幸せな職業人生でした。けれど独立した今は,さらにのびのびと,自分の責任で仕事に向き合っています。多くのお客さまと出会い,仲間と高め合いながら暮らす毎日は,「真剣勝負で仕事に向き合う」のと同時に「仕事を楽しんでいる」と実感できる時間です。
もちろん,楽しむためには努力が必要です。技を磨き,知識を深め,責任を果たす。その積み重ねの先にある「楽しさ」なのだと思います。
これから出場する選手たちにも,ぜひ思う存分オリンピックを楽しみ,最高のパフォーマンスを見せていただきたい。そしてワタシ自身も,お客さまの人生の大切な局面を支える仕事だからこそ,最高のパフォーマンスを出し,この行政書士というセカンドキャリアの舞台を,誠実に,そして心から楽しみながら歩んでいきたいと思います。

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