値引きまつりの大トロと,ワタシの鮨修行
先日,久しぶりに街のデパートの地下に立ち寄りました。
夕方の食品売り場は,時として宝探しのような楽しみがあります。この日はどうやらお刺身が余ったのでしょう,「値引きまつり」状態になっていました。
ふと目に入ったのが,国産天然本マグロの大トロのサク。地元で時々揚がる「お宝」です。もともと2,000円でも十分に安いと思える品が,なんと4割引で1,200円!普段はこうした贅沢品にあまり手を出さないワタシも,この価格には抗えず,気づけば買い物かごに入れていました。
さて,「どうやって食べようか」とひと思案です。
刺身でそのままいただくのももちろん美味しい。しかし,本マグロの大トロと最も相性がいいのは,やはりお米,つまり鮨です。
夜に糖質を摂るのはあまり健康的とは言えませんし,相方の日本酒もまた糖質。決して模範的な夕食とは言えませんが,「たまには良いでしょう」と自分に言い訳をして,悪魔の組み合わせを楽しむことにしました。
自慢の「マイ柳刃」で大トロのサクを,鮨にちょうど良い厚みに切りつけていきます。ここからは,ワタシの“鮨修行”の時間です。
以前にも書きましたが,ワタシは10年ほど前,東京のすし教室で握りの手ほどきを受けました。それ以来,休日にはときどき“自称寿司職人”として修行を続けています。始めた頃は,刺身の乗ったおにぎりのような代物でしたが,年月とともに少しずつ上達し,今では一応「鮨らしく」見える握りができるようになりました。
今回の大トロは筋が薄く,油断すると身崩れしてしまいそうな繊細な状態。慎重に刃を入れ,何とか形を保ったまま握りに仕立てることができました。
出来上がりは写真のとおりです。プロの握る鮨と比べるべくもありませんが,鮨は鮨です。早速,妻と二人で「いただきます」。
口に入れると,爽やかなマグロの香りと脂の甘みがふわりと広がります。これぞ本マグロです。大トロは刺身で食べると脂が勝ちすぎることもありますが,鮨にすると酢飯がうまく受け止め,絶妙な調和を生み出します。
1,200円のマグロで12貫。一貫あたり100円です。
「これをお店で食べたら,少なくとも一貫1,000円はするだろうな」と考えながら味わう,自分で握った鮨の幸福感は格別でした。
もちろん,素人寿司と職人の技を比べるつもりはありません。ただ,自分の手で素材を見極め,丁寧に扱い,形にしていく時間そのものが楽しいのです。
実は,この“鮨修行”は,ワタシの行政書士の仕事にもどこか通じるものがあります。
素材の状態を見極めること。
刃の入れ方ひとつで仕上がりが変わること。
焦れば形が崩れ,丁寧に扱えば美しくまとまること。
書類作成も同じです。条文や事実関係という「素材」をどう読み取り,どう整理し,どこにどう手を入れるかで,出来上がりはまったく違うものになります。派手さはなくても,整った一通の書類には,確かな満足感があります。
忙しい毎日の中でも,こうした時間は大切です。
まさに忙中閑あり。良い気分転換になりました。
英気を養いましたので,また明日からも,事案,一件一件を丁寧に“握る”つもりで,誠実にお客さまに向き合ってまいります。


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