合格発表の日に,原点を思い出す
昨日,令和7年度行政書士試験の合格発表がありました。
11月7日に試験が行われてから,3か月近く。受験された皆さんは,この日をどれほどヤキモキしながらこの日を待ち続けてこられたことでしょう。
まずは,合格された皆さん,本当におめでとうございます。
長い時間をかけて積み重ねてきた努力が,ひとつの形として報われた瞬間だと思います。一方で,残念ながら今年は結果が伴わなかった方もおられるでしょう。今は悔しさや虚しさの中におられるかもしれませんが,再起を目指される方には,次こそ努力が実を結ぶことを心よりお祈りいたします。
合格発表の日を迎えるたび,ワタシはどうしても自分自身の受験当時のことを思い出します。
本試験ではマークシートの出来が思わしくなく,合否は「記述次第」という,何とも落ち着かない結果でした。そこから合格発表までの約2か月強は,本当に長く感じられた時間でした。
合格発表当日,ワタシは会社を休み,自宅で運命の時を待ちました。なかなかつながらないネット環境の中,ようやく表示された画面に,自分の受験番号「0720004」を見つけた瞬間のことは,今でも鮮明に覚えています。胸の奥から一気に力が抜け,なんとも言えない幸せな気分に包まれました。このブログを書きながら,あの日の気持ちを思い出しましたが,長い時間をかけた努力が報われた瞬間というのは,やはり格別です。「頑張って良かった」と,心の底から思えた時間でした。
合格の喜びと同時に,この度合格された皆さんは,行政書士試験という一つのゴールに到達すると同時に,「行政書士として生きていく」という新たなスタートラインに立たれたわけです。
「資格というのは,合格するまでは大変だが,合格してからの方がもっと大変」とはよく言われます。まさにその通りで,これからは“いち行政書士”として仕事をし,生計を立てていく現実と向き合うことになります。
弁護士,司法書士,行政書士といった士業は,資格取得後の進路が大きく異なります。
司法試験に合格し司法修習を終了され,弁護士を志す方の多くは,大手法律事務所に就職したり,既に開業している先輩弁護士の事務所で勤務するいわゆる「イソ弁」からキャリアを始めたりします。司法書士も,まずは司法書士事務所に所属して経験を積むケースが一般的でしょう。
一方,行政書士は,行政書士法人への就職というのは一般的ではなく,資格取得後すぐに自ら事務所を開設し,独立開業する方が少なくありません。ワタシも,その一人として,右も左も分からないまま開業しました。
行政書士の業務は,独占業務の範囲が非常に広く,それぞれが得意分野を定め,特定の業務についてレベルを深めていくのが一般的です。
ワタシは当初は,比較的取り組みやすい相続,遺言,後見業務を中心に仕事を始めましたが,様々な方との出会いやご縁を通じて,業務の幅は当初想定していたものから,少しずつ変化してきました。
現在では,相続関連業務に加え,契約書の作成・監修,農地転用,建設業許可申請,自動車登録など,実に幅広い業務に携わらせていただいています。また,お体の不自由な「おひとりさま」であるお年寄りのかたについて生活のお手伝いをさせていただいています。
ワタシは「オファーをいただいた仕事は,基本的に断らない」を基本方針としており,自ら「雑食系行政書士」を名乗っているような状況です。
このようなワタシに対し,先輩行政書士の先生方からは,「そろそろ専門分野を深めた方がいいよ」とアドバイスをいただくこともあります。それはもっともなご意見だと思います。ただ,ワタシ自身は今,「できるだけ多くの業務を経験すること」「一つでも多くの仕事をいただくこと」を大切にしながら,その先にある自分の専門性を模索している段階だと考えています。
今回合格された皆さんも,それぞれに描いている将来像があることでしょう。
いきなり大活躍される方もいれば,思うようにいかず,もがき苦しむ方もおられるはずです。「行政書士一年生」の姿は,本当に人それぞれです。
そのような中で,自ら考え,自分の道を切り開き,一歩ずつ前へ進んでいかれることをお祈りいたしております。同じ行政書士として,そして時にはライバルとして,切磋琢磨しながら頑張っていきましょう。
昨日の合格発表を受け,ワタシ自身もこれまでの行政書士生活を振り返りました。そして同時に,ここで改めて自分自身に「喝」を入れ,一層前に進んでゆきたいと思います。

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