五十肩の経験から学んだ「寄り添う仕事」
50歳を過ぎたばかりのころ,ワタシは肩に小さな違和感を覚えました。
最初は「少し動きが悪いかな」という程度でしたが,次第に肩を動かすたびに痛みが走るようになり,やがて両腕ともほとんど上げられなくなってしまいました。少しでも腕を上にあげようとすると,激痛が走ります。
調べてみると,この症状は「五十肩」らしいということが分かりました。
五十肩は,中高年に多くみられる肩関節の痛みと可動域の制限を特徴とする病気で,正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれます。50代に多いものの,40代や60代でも発症することがあり,決して珍しいものではありません。
英語では「Frozen Shoulder」と言うそうですが,ワタシの場合もまさにその名のとおりでした。肩の周りが凍りついたように固まり,無理に動かすと強烈な痛みが走ります。日常生活はもちろん,仕事にも支障が出て,途方に暮れる日々が続きました。
五十肩は「自然に治ることが多い」とも言われています。
周囲からは「お風呂で温めながら動かすといいよ」といった助言ももらいましたが,ワタシの場合はお風呂の中でも痛みが強く,肩を動かすことすらできませんでした。不安ばかりが募り,「このまま治らないのではないか」と本気で心配しました。
そこで思い切って,ネットで評判の良い「五十肩専門」の治療院を訪ねることにしました。
対応してくださった先生は30歳前後の若い方でしたが,五十肩の治療では非常に評価の高い先生でした。初対面で先生はこう言いました。
「必ず良くなります。ただ,最初の治療はかなり痛いです。それでも,最後まで一緒に頑張りましょう」
治療費は1回6000円。決して安くはありませんでしたが,この痛みから解放されるならと覚悟を決めました。
治療は,固まって動かなくなった肩の周囲の筋肉をほぐしながら,少しずつ可動域を広げていくというものです。さらに,体全体のバランスを整えるため,脊柱を中心に周辺の筋肉まで丁寧にほぐしていきます。
正直に言って,この治療は本当につらいものでした。
「最初は痛い」と聞いてはいましたが,その想像を超える痛みです。60歳を過ぎたワタシでも,思わず涙が出そうになるほどでした。それでも先生は終始丁寧に声をかけ,「今が一番つらいところです」「必ず良くなりますよ」と励ましながら,決して手を抜くことはありませんでした。
初月は週2回,2か月目からは週1回のペースで治療を続けるうちに,少しずつ変化が現れました。通院するたびに肩の可動域が広がり,腕が上がるようになっていくのを実感できたのです。
治療の合間に先生と交わす会話も,ワタシにとっては大きな支えでした。
柔道整復師を志したきっかけ,資格取得までの苦労,独立に至るまでの話――その一つ一つが興味深く,痛みの中でも前向きな気持ちを保つことができました。
治療を始めて約2か月で腕はかなり自由に動くようになり,3か月後には無事に治療が終了しました。治療費は10万円近くかかりましたが,肩が元通り動くようになった喜びを思えば,決して高いものではありませんでした。
振り返ってみると,あのつらい治療を乗り越えられたのは,先生が常にワタシの痛みや不安に寄り添い続けてくれたからだと思います。
単に技術を提供するだけでなく,「必ず良くなります」と伴走してくれた存在だったからこそ,ワタシは先生を信じることができました。
これは,行政書士の仕事にもそのまま通じるものだと感じています。
あいはら行政書士事務所にご相談に来られる方の多くは,相続や許認可,各種手続きなど,何らかの「お困りごと」や不安を抱えていらっしゃいます。専門知識だけで問題が解決するわけではありません。まずはお話を丁寧にうかがい,不安な気持ちに寄り添い,安心していただくことが何より大切だとワタシは考えています。
五十肩を治してくれた先生が,ワタシの痛みに向き合い続けてくれたように,ワタシもまた,お客さま一人ひとりの悩みに正面から向き合い,簡単には解決できない問題であっても,最後まで一緒に考え,伴走する行政書士でありたいと思っています。
「こんなことを相談していいのだろうか」
「どこに頼めばいいのか分からない」
そんな思いを抱えたときこそ,どうぞ気軽にお声がけください。
凍りついた問題が,少しずつ動き出すきっかけになれるよう,ワタシは今日も,お客さまの隣に腰を下ろす気持ちで仕事に向き合っています。

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