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30円のごちそう ― イワシの山椒煮でひと息

先日,近所のスーパーをのぞくと,売れ残ったイワシが一尾30円という驚きの値段で並んでいました。

イワシといえば,かつては大衆魚の代表格でしたが,最近は少し様子が変わっています。水揚げ量の減少もあって,気がつけば一尾100円を超えることも珍しくなく,いつの間にか「隠れた高級魚」になりつつあります。そんな中での30円。これはもう,見逃す理由がありません。

売り場に残っていた10尾あまりを,思わず頬が緩みながらカゴに入れました。

せっかく数が揃ったので,骨までまるごと食べられる「イワシの山椒煮」を作ることにしました。こういう料理は,少量よりも一気にまとめて作った方が,味がまろやかになり,仕上がりも良くなります。10尾まとめて調理できるのは,ラッキーです。

小出刃で頭を落とし,腹を割ってはらわたを丁寧に取り除きます。ここを雑にすると,どうしても臭みが出てしまうので,指先の感覚を頼りに,身に残らないよう気をつけます。下処理が終わったら,流水できれいに洗い,余分な血や汚れを落とします。

次は下ゆでです。魚は水から茹でると臭みが出やすいため,必ず沸騰した湯に入れるのがポイントです。鍋の湯にお酢を大さじ2杯ほど加え,イワシを1本ずつ静かに沈めます。15分ほど茹でると,骨まで柔らかくなってきます。

茹で上がったイワシは一度水で洗い,酢の香りを落としてから水気を拭き取ります。

ここからが味付けです。鍋に水,醤油,みりん,酒,砂糖を合わせ,そこへイワシを並べます。砂糖はコクを出したいので,ワタシは黒砂糖を使います。ひと煮立ちしたところで,山椒の粒を投入します。

この山椒は,自宅の庭にある木から収穫したものです。山椒は買うと意外に高価ですが,自家製であれば惜しげなく使えます。春先に摘み取り,あく抜きをして冷凍しておいたものを使いました。煮汁に放った瞬間,ふわりと立ち上る香りがたまりません。

あとは落とし蓋をして,中火で30分ほど弱火で煮込みます。最後に,ここでもう一度山椒の実を投入。こうすることで、煮汁のほどよい痺れと立ち上る香りの両方が楽しめます。最後に煮汁の加減を見ながら味を調え一煮立ちさせ完成です。

出来上がりは,照りのある煮汁をまとったイワシが,行儀よく鍋に収まった姿になります。煮汁にはイワシの旨味が溶け込み,黒砂糖のやさしい甘みと,山椒の爽やかな香り,そしてほのかな痺れが重なります。箸を入れると身はほろりとほどけ,骨まで気持ちよく食べられます。

この料理に合わせる飲み物は,やはり日本酒です。酒を少し嗜みながら,イワシをつまむ時間は,何ものにも代えがたい贅沢です。これが一尾30円だと思うと,なおさら嬉しくなります。

ここしばらく慌ただしい日が続いていましたが,まさに「忙中閑あり」。
台所に立ち,鍋の湯気を眺めながら過ごすひとときが,良い気分転換になりました。

こうして心と体を整える時間を持つことで,仕事にも改めて落ち着いて向き合うことができます。
行政書士として,ご依頼くださる方お一人お一人に丁寧に寄り添い,確かな仕事を積み重ねていきたい—そんな思いを,静かな台所の時間の中で再確認しました。

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