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「病院ラジオ」を見て思ったこと ― 入院の思い出と「小さな不便」

年末,テレビでサンドウィッチマンの「病院ラジオ」という番組を見ました。これは病院に入院している患者さんにサンドウィッチマンのお二人がインタビューを行い,その内容が病院の中で流され,患者さんや医師・看護師の方々が耳を傾けるという番組です。これまでも何度か放送されていますが,今回は北大病院での放送でした。

インタビューに答える患者さんの多くは,難病と闘っている方たちです。ワタシにとって初めて聞く病名も多く,病気の種類の多さに驚きました。そして,大変な病気と向き合いながらも,前向きに,明るく日常を歩もうとしている姿に胸を打たれ,「本当にスゴイ人たちだ」と感銘を受けました。大きな病気もせず,今もこうして元気に暮らせている自分は,とても幸せなのだと改めて感じました。

ワタシも60歳を越え,血圧などいくつかの小さな問題は出てきていますが,これまで概ね健康に暮らすことができています。ただ,40歳を過ぎた頃に一度だけ,一週間ほど入院したことがありました。今日はその時のことを書きたいと思います。

あれは,管理職に昇進して張り切って仕事に励んでいた頃のことでした。会社で仕事をしていると,右下腹部がチクチクと痛み始めました。「あれ,何だろう」とあまり気にも留めずに仕事を続けていたところ,その痛みは次第に「ズキズキ」と強くなり,歩くだけで響くようになりました。しまいには立っているのもつらくなり,会社を早退してタクシーでかかりつけ医に直行しました。

診察と血液検査の結果,白血球数が異常に高く,「盲腸(虫垂炎)の疑いがある」とのことで紹介状を渡され,総合病院へ。そこで告げられた病名が「大腸憩室炎」でした。そのまま即入院となりました。

症状が重いと手術が必要になることもありますが,ワタシの場合,手術は不要で,「腸を休ませて炎症を抑える」治療でした。つまり絶食と,一日中の抗生物質の点滴です。医師からの指示は簡潔に言えば「絶食しておとなしく寝ていなさい」ということでした。

しかし,いざ入院してみると,いろいろとつらいものがありました。まず,一日中横になっているので,とにかく退屈です。お風呂にも入れません。そして何より,食事がありません。栄養剤を点滴されているとはいえ空腹感に悩まされ,絶食というのは,想像以上に堪えるものです。

食事もせず,何もしない単調な日々が続くと,昼夜の感覚が曖昧になり,昼間でも眠くなります。起きているときも頭がボーッとして,まるで体も心も使い物にならなくなっていくような感覚でした。少し前まで元気に働いていたのに,人間の体というのは,環境が変わるとこんなにも簡単に弱ってしまうのかと実感しました。

一日中打ちっぱなしの点滴も次第に腕がむくんでつらくなりました。元々腕の静脈が細く,採血でも看護師さんが苦労される体質なのですが,点滴が続いたことでさらに針が入りにくくなり,左腕から右腕,手の甲,そして最後は足の甲へ…。いわば「針を刺す場所探し」の毎日でした。

「憩室炎」という言葉だけを聞くと,どこか軽い病気のように思われるかもしれません。しかし,一見軽い病気に思えるかもしれませんが,この病気でさえ,入院生活はここまで不自由で,気力を削られるものなのだと痛感しました。絶食が明け,初めて出されたおかゆの美味しさは,今でもはっきり覚えています。

これまで何度か書いてきましたが,ワタシはいま,入院されている「おひとりさま」のお手伝いをしています。お手伝いの内容は金銭管理や役所との手続きの代理などで,医療・介護行為そのものは行うことはありません。

それでも,今回の番組を見て,そして自分の入院体験を思い出し,「入院中に感じる不安や不便」に寄り添う姿勢を,より一層大切にしたいと思いました。

ワタシにできることは決して大きくはありません。
年賀状を代わりに作成して投函したり,簡単な買い物を引き受けたり——。

それでも,入院生活の「小さな不便」を少しでも解消できるのであれば,お手伝いをしたいと思います。誰かの回復の時間が,少しでも穏やかで温かいものになるように。そんな思いを胸に,行政書士として,入院中のおひとりさまをはじめとするご依頼者の支援に,これからも丁寧に向き合っていきたいと思います。

※憩室とは,大腸の壁の一部が外側に向かって小さな袋状(ポケット状)に膨らんだ状態のことを指します。大腸の内側の粘膜が,筋肉層の弱い部分から外側へプクッと飛び出した小さな袋を憩室と呼びます。加齢や便秘などで腸の中の圧力が高くなり,比較的弱い部分が押し出されることでできると考えられています。

分かりやすく例えると,タイヤの表面のゴムにひび割れができて,そこから中のチューブがはみ出ているような状態です。

なお,病気の詳細や医療内容についての専門的な内容につきましては,必ず医師にご確認ください。

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