茶色い幸せ――わが家流・お正月の食卓
昨日から正月休みに入り,わが家では毎年恒例のおせち作りが始まりました。お正月というと,「仙台市民の台所」,仙台朝市やデパートの生鮮食品売り場には豪華な食材がずらりと並び,多くの人で賑わいます。しかし,ワタシの家ではこの時期,高価な刺身やカニをあえて買い求めることはありません。というのも,仙台という土地は,普段から魚も肉も良質なものが手に入るからです。近くには塩釜や気仙沼といった日本有数の漁港があり,新鮮で美味しい魚が日常的に食卓にのぼります。とりわけ,近所のスーパーは安くて美味しい魚の宝庫で,塩釜の天然本マグロや女川の銀鮭が,デパートの半額ほどで手に入ります。そうした恵まれた環境のおかげで,普段から美味しい魚を味わっているのですから,価格が上がるこの時期に無理をして買う必要はないと考えているのです。
そのため,わが家のおせち――というより「正月料理」は,茶色を基調とした素朴な彩りです。基本のおせちは近所のスーパーで手頃なものを選び,栗きんとんや黒豆など「もう少し食べたいもの」だけ,美味しいお店で少量買い足します。さらに,おせちには入らない松前漬けや里芋の煮っ転がし,きんぴらゴボウなどは,妻と手分けして作ります(どうです?ますます茶色いでしょう?)。お雑煮とこれらの料理を前に御神酒をいただき,ゆったりと箱根駅伝を楽しむ――これが,わが家の変わらない正月の過ごし方です。
おせちとは別に,毎年欠かさず作る料理が二つあります。焼き豚とビーフシチューです。昨日はまずは,焼き豚を作りました。肉の安いスーパーで,バラ肉と肩ロースのかたまりをそれぞれ1キロほど購入し,鍋に入るよう2つに切って料理用の糸でぐるぐる巻きに縛ります。それをフライパンで表面に香ばしい焦げ目がつくまで焼き,鍋に移して煮込みます。ネギの青い部分やニンニク,ショウガ,タマネギを加え,醤油・砂糖・みりん・酒で整えます。煮汁は濃くしすぎない方がすっきりと仕上がり,砂糖を三温糖や黒砂糖にすると,コクのある甘みが出ます。沸騰したら弱火に落とし,落とし蓋をしておよそ1時間30分。煮込みすぎると旨みが逃げてしまうので,頃合いを見て火を止め,蓋をしたままゆっくり冷まします。料理は「冷めるときに味がしみる」と言いますが,本当にその通りだと感じます。冷めたら余分な油を取り除き,煮汁を少し煮詰めてタレを作れば完成です。手間はかかりますが,特別な技術はいりません。買うと驚くほど高い焼き豚も,こうして自家製なら気兼ねなく楽しめます。おつまみにも良し,ラーメンにも良し,ご飯にのせても良しの万能料理です。
そして今日は,もう一つの恒例であるビーフシチューを作る予定です。たっぷりのスジ肉を時間をかけて煮込んだシチューはコクがあり,とろけるような味わいで,大量につくり,毎年,姉の家にもお裾分けする恒例の料理です。台所に立ちながら,「今年もこの時間がやってきたなあ」と感謝の気持ちがわいてきます。わが家流の少し地味で,でも心あたたまるおせち作り――いかがでしょうか。新しい年は,もうすぐそこまで来ています。
来年も,多くの皆さまへのお手伝いで,喜んでいただけるよう努めてまいります。コトコト煮込むビーフシチューのように、一つ一つのご相談に時間をかけてじっくり向き合っていきたいと思います。今年一年,大変お世話になりました。どうぞ良いお年をお迎えください。

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