初乗り料金710円,その10円に一体どんな意味がある!
師走の仙台は冷たい風が吹きはじめ,タクシーに乗る機会も少しずつ増えてきます。そんな中で思い出したのが,昨年2023年5月31日に行われたタクシー初乗り運賃の値上げです。仙台の初乗りは 710円。それまでの680円から,約5年ぶりの改定でした。
値上げそのものは,ワタシは仕方のないことだと思っています。物価が上がれば輸送コストも上がりますし,タクシー会社の経営が苦しくなったり,運転手さんのなり手がいなくなったりしては本末転倒です。最近は年配のドライバーが目立ちますが,待遇が改善し,もっと若い方がこの業界に入ってくれるなら,値上げも必要な投資だと感じます。
しかし,仙台のタクシー運賃には「どうしてこうなった?」と首をかしげたくなる点があります。それは――
「初乗り710円なのに,運賃メーターが100円刻みで上がること。」
です。この組み合わせだと,どうやっても料金に「10円の端数」がつく仕組みになります。お客は細かいお金を用意する手間が増え,運転手さんは「90円のおつり」を繰り返し渡すことに…。運転手さんに聞いてみても,ほぼ全員が「10円は余計なんだよね」と嘆いています。もしメーターの上がり幅が90円とか110円なら,初乗り710円でも分かります。でも,運賃を100円ずつ上げるなら初乗りを700円にして,客も運転手もラクにする方法だってあったはずです。
「10円でも高い方が助かる」という意見もあるかもしれません。ですが,一日に50回客を乗せても差は 500円。この小さな金額よりも,日々の利便性の方がよほど大きいとワタシは思うのです。
タクシー運賃は,おそらくは,車両コスト・保険・人件費・燃料などの「コスト積み上げ方式」で計算され,それをもとに役所が認可するのだと思います。だから数字が“710円”になりさえすれば,それで制度上は「問題なし」なのでしょう。でも,そこには,実際に毎日運用する運転手さんや,乗り降りする市民の利便性は,残念ながら優先順位が高くないのでしょう。いかにも「机の上の計算」で決めました,という印象を受けます。
ただ,文句ばかり言っていても前には進みません。
たった10円とはいえ,そこには“現場の声”が確かにあります。
ワタシは,こうした小さな不便が積み重なったときこそ,行政や仕組みを改善するヒントが隠れているのだと思うようにしています。「なんで?」という疑問を持つこと自体が,より良い街づくりの第一歩です。
というわけで,今日もワタシは710円を握りしめ,タクシーの窓越しに広がる仙台の街を眺めながら,前向きに考えることにしています。たとえ10円モヤっとしても,それをきっかけに将来,世の中が少し良い方向に変わるのなら,悪くない――そんなふうに考えることにします。

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