桜の団地で学んだ「聴く力」
先週末,ワタシは市内の住宅団地において,行政書士による無料相談会に参加してまいりました。これは,普段から親しくさせていただいている登録同期の行政書士が,仕事を通じて団地の自治会長とお話ししたことがきっかけです。団地には高齢者が多く,終活をはじめとした様々なお悩みを抱えている方が少なくないとのことで,「気軽に相談できる場があればありがたい」という声を受け,開催される運びとなりました。そしてワタシも「相談員をやりませんか」とお声がけいただき,参加させていただいた次第です。
当日はちょうど団地の桜祭りが開催されており,中庭ではピザを焼いたり,燻製を作ったりと,住民の皆さんが思い思いに楽しまれていました。そんな賑やかな雰囲気の中,ワタシ達は集会所の一角をお借りして相談会を実施しました。相談員はワタシのほか,終活分野を中心に活躍されている女性行政書士の方で,やはり同期登録の仲間です。
「果たして相談に来てくださる方はいらっしゃるだろうか」と一抹の不安もありましたが,当日は2名の方にお越しいただきました。内容はいずれも高齢者特有のお悩みであり,人生の終盤に差しかかった方ならではの切実なものでした。
ここで印象的だったのは,相方である女性行政書士の対応です。相談者の話にじっくりと耳を傾け,相手の気持ちに寄り添いながら,的確かつ分かりやすく助言をされていました。その姿は実に落ち着いており,知識の豊富さはもちろんのこと,「聴く力」と「伝える力」の大切さを改めて感じさせられるものでした。ワタシも同じ相談員でありながら,思わず聞き入ってしまい,相づちを打つだけ。自身の未熟さと同時に,大いに学びを得る時間となりました。
ふと外に目を向けると,団地内の公園では子供達が元気いっぱいに遊んでいました。話を聞くと,団地に住んでいる子供はそれほど多くなく,周辺地域から遊びに来ている子供達が多いとのことです。それでも,子供達の存在が団地全体に明るい空気をもたらしており,見守る住民の方々が「○○さん」と親しげに呼ばれている様子は,とても微笑ましいものでした。
こうした光景は,自治会長が「活気のある団地にしたい」と日々尽力されてきた成果の一つであり,今後はボランティアの大学生を招いて子供達の相手をしてもらうといった新たな取り組みも検討されているとのことでした。地域のつながりを大切にしながら,次の世代へとバトンをつないでいこうとする姿勢に,深い感銘を受けました。
相談会は自治会の皆様からもご好評をいただき,今後もお祭りなどの節目に合わせて継続していくこととなりました。このような活動は,地域貢献という側面はもちろんのこと,ワタシ達行政書士にとっても多様なご相談に触れる貴重な学びの場となります。
春の穏やかな一日,桜の下でワタシが強く感じたのは,「法律の知識だけでは人の役には立てない」という当たり前の事実でした。相手の話に耳を傾け,思いを受け止め,その上で最適な道筋を示すこと——その積み重ねこそが,信頼につながっていくのだと思います。
これからもワタシは,こうした機会を大切にしながら,地域の皆様のお役に立てる行政書士であり続けたいと考えております。そしていつの日か,「相談して良かった」と言っていただけるよう,知識だけでなく「聴く力」も備えた行政書士を目指して精進してまいります。
——もっとも,今回の相談会でワタシが一番学んだのは,「まずは人の話を最後まで聴くこと」。行政書士として基本中の基本を,同期から改めて教えていただいた一日でした。

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