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消えゆく電波と,消えない記憶

NHKラジオ第2放送が,3月29日をもって廃止されました。

NHKラジオ第2放送は,1931年4月6日に開始されて以来,実に95年にわたり,教育・語学・各種講座番組を中心に放送されてきました。しかし近年は,スマートフォンの普及などによる情報入手手段の多様化や,ラジオ全体の聴取率の低迷,さらには経費削減の必要性などを背景に,NHKはラジオ第1・第2・FMの3波体制を見直し,新たに2波体制へと再編することになったとのことです。

これほど長い歴史を持つ放送が終わるのですから,本来であれば大きなニュースであっても不思議ではありません。しかし,ワタシの印象では,それほど大きく報じられることもなく,恥ずかしながらワタシ自身もその事実を知ったのはごく最近のことでした。

思い返せば,ワタシが初めてNHKラジオ第2放送のお世話になったのは,小学4年生の頃でした。学校の授業をきっかけに興味を持った「そろばん教室」を,ラジオで聴き始めたのです。確か6級程度から始まり,最終的には3級レベルの技能を身につける講座だったと記憶しています。

ワタシは6級や5級までは順調に進みましたが,4級になるとスピードと正確さが一気に求められるようになり,次第に難しさを感じるようになりました。さらに3級になると小数点を含む計算が増え,ついていくのが苦しくなったことを覚えています。暗算の授業では,頭の中にそろばんの珠を思い浮かべ,読み上げに合わせて珠を動かすという方法に挑戦しましたが,これがなかなか思うようにいかなかったのも,今となっては懐かしい思い出です。

やがて中学生になると,「基礎英語」や「続基礎英語」を聴くようになりました。そして社会人になってからも,「ビジネス英語」や「ラジオ英会話」に何度も挑戦しました。しかしながら,毎年のように夏頃には挫折してしまうということを繰り返してきました。

NHKの語学講座のテキストは,4月が最も売れ行きが良く,その後は徐々に落ちていくそうです。つまり,ワタシと同じように,多くの人が途中で挫折しているということなのでしょう。そう考えると,どこか少し安心すると同時に,自分の継続力のなさを苦笑いとともに振り返ることになります。

新年度以降,これらの語学講座の多くはFMで放送されるとのことです。ただ,そうなると音楽番組の枠が減っていくのではないかとも感じます。一方で,すでに語学講座の多くはアプリで配信されており,時間に縛られずに学べるという点では,むしろこちらの方が便利だとも言えます。いっそ思い切って一部をインターネット配信に一本化するという考え方もあるのではないかと思いつつ,放送局としては,免許を受けた電波を活用し続けたいという思惑もあるのだろうと想像します。

ワタシにとってNHKラジオ第2放送は,単なるメディアではなく,「学び」の入り口であり,何度も挑戦しては挫折してきた,自分自身の歴史そのものでした。だからこそ,その役割を終えたことに,時代の流れを感じると同時に,一抹の寂しさを覚えます。

これまで長い間,学びの機会を提供し続けてくれたことに,心から感謝したいと思います。そしてこれを機に,もう一度語学講座に挑戦してみようかと,そんな気持ちも芽生えています。今度こそ,夏を越えられるように。

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