現場に立つ行政書士―農地転用許可の現地調査に立ち会って―
先日,ワタシが申請を担当した農地法第5条に基づく農地転用許可について,農業委員会による現地調査が実施され,その立会いをしてきました。
農地転用許可申請とは,田や畑などの農地を,住宅・駐車場・店舗・太陽光発電施設などの「農地以外の用途」に変更するために,事前に許可を受ける手続きをいいます。農地は,優良農地の保全や食料生産の確保という観点から,法律上厳しい規制が課されており,相続などの例外を除き,所有権移転や農業以外の用途への転用には,原則として都道府県知事の許可が必要となります。
このような農地転用に関する各種手続きは,行政書士であるワタシの主要業務の一つです。申請は市町村の農業委員会事務局に提出され,審査を経て,都道府県を通じて最終的な許可・不許可が判断されます。その審査過程の中で,転用計画の妥当性を確認するために行われるのが,農業委員による現地調査です。
現地調査の実施方法は自治体によって異なりますが,今回の自治体では申請者の立会いが必須とされており,ワタシは代理人として現地に赴きました。調査では,現地において計画の概要や必要性,周辺環境への影響などについて説明を求められるほか,さまざまな観点から質問がなされます。そのため,どのような問いにも的確に答えられるよう,事前の準備が極めて重要となります。
また,服装も普段の業務とは大きく異なります。ワタシは通常,スーツにネクタイという装いで業務にあたっていますが,現地調査の際には作業服に長靴という出で立ちになります。調査場所はもともと農地であり,雑草が生い茂っている場合も少なくありません。動きやすく,汚れても支障のない服装が欠かせないのです。
こうした普段とは異なる環境での業務は,緊張感を伴う一方で,どこか開放的な空気も感じさせてくれます。現地に立つことでしか得られない感覚や気づきがあり,デスクワーク中心の日常では味わえない貴重な経験となります。
今回の現地調査については,大きな問題点の指摘もなく,順調に進みました。この後は農業委員会での審議を経て,問題がなければ許可に至る見込みです。最後まで気を抜かず,丁寧に対応したいと思います。
行政書士という職業は,事務所での書類作成や役所での手続きが中心と思われがちですが,実際にはこのように現場に足を運び,状況を直接確認しながら進める業務も少なくありません。ワタシ自身,かつて電力会社で現場に関わる業務に従事していた経験があり,発電所での勤務を含め,現場の空気にはどこか懐かしさを覚えます。そうした背景もあって,野外での業務には,特別な開放感を感じ,大好きな仕事です。
これからもさまざまな現場に足を運び,多様な経験を重ねながら,自らの業務の幅を広げていきたいと考えています。春の穏やかな空気の中で,改めて仕事の原点に触れることのできた一日となりました。

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