海の士業に学ぶ覚悟と責任――総会で得た一言の重み
この週末,ワタシは塩竈市で開催された日本海事代理士会東北支部の年次総会に出席してまいりました。
ワタシは行政書士であると同時に,海事代理士でもあります。海事代理士は,「職務上請求書」を扱うことができる,いわゆる八士業の一つですが,活動のフィールドが港,船,船員など極めて専門的な世界に限定される資格です。その専門性から登録者数は八士業の中で最も少なく,全国でもおよそ500名強にとどまります。東北支部に至ってはわずか20名,宮城県内では7名しかいないレアな資格なのです。
総会では,前年度の活動報告および決算報告,そして本年度の事業計画と予算について審議が行われ,いずれも滞りなく承認されました。どの団体でも見られる光景ではありますが,その一つひとつに,組織を支える人々の積み重ねが感じられ,身の引き締まる思いがいたしました。
ワタシが海事代理士会に入会したのは約2年半前で,今回が3回目の総会出席となります。現在は行政書士業務に力を注いでいるため,海事代理士としての実務はまだ多くありませんが,それでも昨年は創立50周年記念式典に参加し,今年は理事選挙の本会選挙管理委員を務めさせていただきました。こうして異なる士業の世界に身を置き,学びを得られることは,ワタシにとって大変貴重な経験です。今後は,少しずつでも海事代理士としての活動の幅を広げていきたいと感じております。
総会終了後には,支部長を講師とした業務研修が行われました。実務に即した内容が多く,非常に有意義な時間となりましたが,中でもワタシの心に強く残ったのは,支部長のある一言でした。
「仕事の依頼が来たら,絶対に断るな」
未経験の業務であっても引き受けること,そして必要であれば経験者に教えを請いながらでも必ず完遂すること。それができなければ,次の仕事にはつながらない――。そう語る支部長は,海事代理士として50年以上のキャリアを持つ大先輩です。そのような方が,なおこの姿勢を貫いておられることに,ワタシは大きな衝撃を受けました。
同時に,これは新人であるワタシにとってだけでなく,どの段階にある専門職にも通じる,本質的な心構えであると感じました。経験の有無を理由に尻込みするのではなく,責任を持って引き受け,やり遂げる。その積み重ねこそが信頼を生むのだと,あらためて教えられた思いです。
なお,今回の役員改選において,ワタシは本会の「本部研修委員」,そして東北支部の「幹事」を拝命いたしました。率直に申し上げて,自身の力不足を感じる場面も多く,不安がないと言えば嘘になります。しかし,こうした機会をいただいた以上は,これまで以上に研鑽を積み,少しでも会の発展に貢献できるよう,精一杯努めてまいりたいと考えております。
海事代理士として,そして行政書士として,ワタシはまだ道半ばにあります。それでも,今回の総会で得た学びと覚悟を胸に,一つひとつの仕事に真摯に向き合っていく所存です。
そして何より,「依頼は断らない」という言葉の重みを忘れずにいたいと思います。もっとも,海事代理士にせよ行政書士にせよ,業務においては,引き受けた以上,法令に適合した適正な手続きを行う責任があります。単に「断らない」のではなく,「確実に完遂できる形で引き受ける」――それこそが,専門職として求められる本当の力量なのだと,ワタシは感じております。

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